「本作の金田一耕助は超ハイスペックで度肝を抜かれましたね。」悪魔の手毬唄(1961) 矢萩久登さんの映画レビュー(感想・評価)
本作の金田一耕助は超ハイスペックで度肝を抜かれましたね。
丸の内TOEIさんでの「没後10年 高倉 健 特集 銀幕での再会」(11月7日~22日)もいよいよ終盤戦。本日は健さんが金田一耕助を演じた『悪魔の手毬唄』(1961)を鑑賞。
『悪魔の手毬唄』(1961)
本作といえば1977年に公開された市川崑監督版を真っ先に想起するでしょうが、実は戦後すぐの1947年、当時アメリカ占領下で時代劇の制作が制限された時期に時代劇スターの片岡千恵蔵氏がシリーズ化、健さんがシリーズ8作目で金田一耕助2代目を引き継いだのが本作のようですね。
とにかく本作の金田一耕助は警視庁の特命されたエリート、美人秘書とコンビを組んで、仕立ての良いスーツを着用、愛車は舶来のスポーツカー、喧嘩も滅法強くて、推理も冴えまくり、もちろん髪からフケもでない超ハイスペックで度肝を抜かれましたね。
市川監督版ではお馴染みの立花捜査主任(演:加藤武)なども登場しません。
何でも脚本家結束信二氏が原作を読まずに一度没になった脚本を手直ししたようで、金田一の設定はじめ創作部分が多いのも納得。
確かに長大な原作を84分に収めるのも難しかったのでしょう。
逆に市川崑はあの石坂浩二氏演じる金田一耕助のキャラクターを丁寧に創り上げたのだと再認識しましたね。
同作は配信でもなかなか観られない貴重な作品、今回の特集上映で鑑賞できてラッキーでしたね。
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