「岡田茉莉子が美しい というのに尽きる」秋津温泉 散歩男さんの映画レビュー(感想・評価)
岡田茉莉子が美しい というのに尽きる
1962年吉田喜重監督。岡田茉莉子の100本記念作品として、岡田自身が映画化を提案し、監督に依頼し製作された作品。
終戦間近に秋津温泉で出会った二人が17年の間に何度も秋津で会って・・・という話。文芸作であり大メロドラマ。全編大仰な音楽が鳴っていますが「これはメロドラマですよ」という感じでだんだん良く聴こえてくる(かも)
新子役の岡田茉莉子は十代から三十代まで見事に演じ美しさもスパークしております。長門裕之は序盤に彼女から「生きる」ということを見出すのですが、後半はクズ男化してしまい、結果新子はヤンデレに… 今風に言えばそんな話で、彼女が可哀想過ぎる内容。
しかし、お互い好き同士でも一緒になれなかった二人がやっと結ばれる中盤は屈指の名場面。こんなに丹念なラブシーンはあまりお目にかかったことがない。時代時代で二人の関係性が微妙に変わってゆくのも丁寧に描かれ見事です。
この映画の後、岡田茉莉子さんは監督吉田喜重と結婚するわけですが、そういうことを知って観るのも一興かもしれません。
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