赤いダイヤ

劇場公開日:

解説

梶山季之の同名小説を「この道赤信号」の柳沢類寿と「やくざの歌」の池田雄一が共同で脚色「東京丸の内」の小西通雄が監督した風俗ドラマ。撮影は「ジャコ万と鉄(1964)」の坪井誠。

1964年製作/94分/日本
配給:東映
劇場公開日:1964年10月14日

ストーリー

朝鮮動乱の終った年、母を置いて単身上京した木塚憲太は駐留軍の、放出物資のブローカーで失敗、六百万円の穴を開けて千葉海岸で入水自殺を計った。基地のバー井戸美子への遺言状をもったまま。だが、あずき相場師森玄一郎は彼を助け憲太に五千円をあたえて、再出発をうながした。遊廓へ行った憲太は、女から、リンテンションカードを買うことをすすめられた。一定の輸出額に五%の輸入が許されるという、権利書の買収は、五千円の金を百八五万四千円にした。早速美子を訪れた憲太を、美子は二世ブローカー、ジョージの六百万をふみ倒したと、怒ったが、美子も二人の会社を持つことには同意した。一方森玄は、あずき相場の下落でピンチに立っていた、森玄の宿敵、売りの松崎が丸田商事社長と組んで、森玄のあずきを預るいろは倉庫の田丸社長を買収、あずきを、大豆にすりかえていたのだ。一方慶太にも悩みはあった。美子が積極的で金のあるジョージに傾いていることだ。納会までが勝負だと、松崎らは北海道へ新あずきの買付けに発った。新聞の松崎派の非難で、相場は買人気となり、ジョージの口車にのった美子ら素人の投資家は、打撃を受けた。一方慶太は、松崎との決戦に勝った時結婚するという美子の言葉を胸に、森玄と自分の金一億円をもって北海道に飛んだ。人生を賭けた慶太の百姓抱きこみは功を奏した。売りの松崎に、買いの慶太が、あずきを独占したのだ。約束通り美子と定山渓温泉へとしゃれこんだ慶太は、ジョージに通じた美子に裏切られて、あずきをのせた船をジョージらのもとに運ばれてしまった。だが、その船は、銚子沖で沈没した。船を当てこんで売りまくった松崎は、完敗し、ジョージは詐欺で検挙された。涙ながらに詑びる美子に、慶太は再び求婚した。慶太の財産は船にかけた保険金五千万円と相場の四千万円、しめて九千万円だ。だが元貴族院議長を父にもつ美子の自己嫌悪は消えず、慶太のもとから去っていった。あとを、慶太はいつまでも追いつづけていた。

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2024年3月7日
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東條ひでき

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