愛と死の記録のレビュー・感想・評価
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違うラストにして欲しかった
被爆にまつわる悲しい純愛物語なんだけど、ヒロインの自殺はないな。観客にみせるべきは、悲しみを乗り越えて生きようとする健気で逞しい姿ではないか? これではあまりにも悲しすぎるでしょ。
ドキュメンタリータッチの姫田真佐久カメラワークと、吉永小百合の自然な若者らしい演技が良いと思っていたから残念な終わり方だった。この作品の吉永小百合はいつもの押しつけがまさを抑えて良かった。浜川智子も魅力的だった。
1965年ごろの広島、平和公園には市民球場があった。原爆ドームの敷地内に入れたのは撮影だったからだろうか? 下からドームを仰ぐカットは衝撃的だった。
題名から楽しい映画ではないと思っていたが、予想以上に悲しい結末
・題名から、幸男(渡哲也)は病死するだろうとは思ってた。
・それが最後の4分、妙に救急車のサイレンが長い
→ 「もしかしたら」と思ったら、思った通り、和江(吉永小百合)が服毒自殺
→ 和江が、担架に乗せられる前に、腕が乱れない様に、
両手を縛られる場面が、特に悲しい → 泣けた
・鬱になりそうな位、悲しい結末 → 「何故こんな結末にしたのだ」
と思い、調べてみたら、「実話をモデルにした映画」とのこと
・大江健三郎:著、「ヒロシマ・ノート」1965.6月発行、にも記載あり
・実話では、婚約者のK江さん(20才)は、「こうすることが私の一番幸せな道です。
骨は、K原さんと一緒に埋めてください」の遺書を残して後追い自殺
・来春4月には、結婚の日取りも決まっていた、とのこと
・最後の4分がなければ、なんてことのない映画だが、インパクトの強い映画だった
・なお、この共演をキッカケに、吉永小百合と渡哲也は、私生活で交際開始とのこと
原爆症について
場所は広島。ダブルデートでいきなりケンカ?帰り際、雨の中道端に置いてけぼり・・・そんな激しい場面から始まったが、もう結婚の約束を・・・しかし、幸雄の体は病魔が蝕んでいたのだ。いい縁談があるとかで幸雄の兄代わりの岩井(佐野浅夫)が和江にとって最初の難関だった。
幸雄は4歳の時、被爆して両親を亡くした。いつそれを和江に告げようかと悩んでいたにちがいない。告白されても和江の愛の強さは変わらず、懸命に看病に努めるのだ。しかし、看病も空しく幸雄は白血病で亡くなってしまう。
単なる泣かせるドラマじゃない。というより、泣かせ方は下手な構成・脚本。それが逆に原爆症で次々と人が亡くなっていく現実を訴えてくる。平和式典の映像なども盛り込んで、なんだかドキュメンタリーとして見るほうがいいのかもしれない。
恋人の死をも克服して元気に立ち直る姿を描くものだと思っていたのに、最後には和江も後追い自殺・・・重々しさがすごい。
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