「スーパーアイドル戦争映画」あゝひめゆりの塔 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
スーパーアイドル戦争映画
脚本の出来が今ひとつ。
何故、尊敬していたとはいえ死んでしまった校長の亡骸の回収を、ヒロイン吉永小百合は、好意寄せる浜田光夫にさせようとするのか?予想通り射撃の的となる浜田はイヌ死にで、納得がいかない。
周りにも登場人物にも悪い奴は誰もいず、米軍の姿も全く見えず、戦争という名の天災?に襲われる学徒達の姿を描いた様相。沖縄戦に対する考察は、取り敢えず無しにすることにしたらしい。
要するに、その時代のスーパーアイドルたる吉永小百合をいかに可憐に美しく魅力的に見せるか、その舞台設定がひめゆり学徒隊と戦争と思ってしまった。まあ、アイドル映画と見れば、踊って歌って、久しぶりの水浴での水着姿?まで見せられて、良く出来ているとも言える。
飛んで来る敵機とそこからの銃撃はそれなりに迫力があった。また、手榴弾による自爆や青酸カリ牛乳による自死は悲惨で、自分的には無意味(あっさりと死ぬくらいなら、捕虜になってチャンス窺って再度戦うべきことを教えるべき)。自分も多少そうだが、この映画が引き金となり、ひめゆり部隊、沖縄戦、さらに前の大戦の歴史的事実に関心が向けば、それは意義があるでしょう、というのが制作側の言い分でしょうか。
先日亡くなった若き日の渡哲也が水先案内人として登場しているのは、嬉しかった。また、沖縄での熾烈な地上戦があったからこそ、本土決戦が避けられ今の日本が存在することの認識の必要性を改めて思う。
共感ありがとうございます。脚本の矛盾に対する指摘を共感いたします。
しかし、沖縄戦があったから本土決戦が避けられた訳では無いと思います。琉球処分から50年位の時間経過ですから、早々に白旗をあげて、日本に反旗を向けていたら、沖縄独立なんて言う未来もあったかなぁなんて、妄想を抱く時もあります。勿論、歴史を考える上で『たらねば』は御法度てす。長々とすみません。お気を悪くせずに。今後ともよろしくお願いいたします。