「一般的にはアンジー派が多いんだろうなぁ」ゴーン・ベイビー・ゴーン kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
一般的にはアンジー派が多いんだろうなぁ
警察が捜索を始めてから3日が経っていたが、そこへ突然アマンダの叔母夫婦が「裏の社会を知っているか?」と訪ねてくる。しぶしぶだったが引き受けたパトリックとアンジー。警察のドイル警部(モーガン・フリーマン)からは嫌味たっぷりの言葉を浴びせられる。誘拐された子の半数は助からない。24時間以内に発見しないと助かる見込みは10%に下がるなど・・・。早速聞き込みをすると、アマンダの母ヘリーン(エイミー・ライアン)がヤク中であることが判明。
二人で金を盗んだことによって、ヘリーンと一緒にいたレイは死んでいた。チーズという麻薬の元締めの金だ。その金に絡んで、チーズが誘拐の主犯だと睨んだパトリック。警察に電話が入り、元採石場の人工湖でアマンダと金を交換するという取引が成立し、パトリックとアンジー、そして警察側からはレミー・ブレサント刑事(エド・ハリス)とニック・プール刑事(ジョン・アシュトン)が湖に向かう。そこでは待ち伏せていた誰かが発砲し、チーズが死亡。何かが湖に飛び込んだ形跡があった。そのままアマンダの生死がわからぬまま死亡したことになり、責任をとってドイルは依願退職、年給減俸となった。そしてチーズの部下のクリスが何者かに殺された。
アマンダが死亡したことにしちゃっていいの?とか、クリスは誰に殺されたんだ?とか、どうもスッキリしないまま前半部分が終わり、さらに男児が誘拐されるという事件が起こる。それはレミーが容疑者として睨んでいたアダムス・ファミリーと揶揄された変態夫婦とその友人が犯人だったが、その隠れ家に潜入するシーンはおぞましいほどだった。パトリックも吐いちゃったくらいだし。
スッキリしなかった部分は終盤に解明。すべては児童虐待とか、子供を殺すことに罪を許さないドイルが麻薬常用者の母親からアマンダを引き離すことを計画したことだった。自身が12歳の娘を殺された経験をし、そうした大人の犯罪を許せなかったことから始まっていたのだ。そして、パトリックが事件解明に辿り着いて、アマンダを母親のもとに帰すことが、ドイルからしてもアンジーから見ても、道義的に正しいことなのかどうかが問われることになった。そして、同棲していたアンジーは彼のもとから去っていった・・・。
児童虐待について考えさせられる作品だが、原作者が『ミスティック・リバー』の作者と同じだと知って納得。確かに許されるべきことではないが、実の親から引き離すこともいいことなのか、法律と道徳を天秤にかけるように色々考えさせられる。また、その答えを明示しないという潔さも感じられ、ドラマをハードボイルドのように私立探偵の独白調で一貫させたことも面白い。まぁ、一般的にはドイルを見逃すというアンジー派が多いんだろうなぁ。ただ、児童虐待を憎むあまりに、人をいっぱい殺しすぎ!アメリカ銃社会の問題にも少しでも批判的に扱っていれば評価も上がったろうに・・・
kossyさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
日本が銃社会になる可能性は先ず無いと思いますが、格段に犯罪が増えますよね。
想像しただけでも恐ろしい。。