「名前が源治なんだから、赤組と白組に分けてくれれば解りやすかったのに」クローズZERO kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
名前が源治なんだから、赤組と白組に分けてくれれば解りやすかったのに
クライマックスではさすが三池監督、ストレートな暴力アクションでした。不良たちの巣窟となっている鈴蘭高校でありましたが、頂点を目指すためには力だけではダメ。生徒の心までも掌握しなければ上に立つことはできないのだと、暴力映画にしては戦国時代を思わせるような内容でした。
3年の中でも各クラスごとにトップがいて、そいつと手を組まなければならない。最大派閥の芹沢多摩雄(山田孝之)率いる“芹沢軍団”でさえ、C組とD組がなつかないので制覇するまでには至らない状態だ。群雄割拠とした高校をまとめるために、鈴蘭高校OBで早秋一家矢崎組のチンピラ片桐(やべきょうすけ)と友人になり、ときにはタイマン、ときには女を使ってと、転校してきた滝谷源治(小栗旬)は真剣に取り組むのだった。で、彼は何組に転入してきたんだろ?
暴力だらけの映画ではあるけど、リアリティの無さや、これが実際の世の中の戦争としてとらえれば、なかなか面白い。原作はもちろん未見ですが、主人公がヤクザの息子だというのが面白くない。なんとなく権力の後ろ盾があるような気がしてならないのです。これがヤクザの抗争というサイドストーリーがあるので許せるとは言っても・・・。
ストーリーやアクションも申し分ないところでしたが、冒頭にやべきょうすけが射殺されるシーンを持ってきたのはどうなのだろう。最近の映画はとにかくこの「ああ、彼は死んじゃうんだ」と思わせておいてどんでん返しを持ってくるパターンが多いこと。三池監督のスタイルには似合わないような気がします。そしてせっかくのクライマックスに黒木メイサの歌をカットインさせたことにも興ざめ・・・。
【2007年11月映画館にて】
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