スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師 : 映画評論・批評

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

劇場公開日 2008年1月19日
2008年1月8日更新 2008年1月19日より丸の内ピカデリー1ほかにてロードショー

ティム・バートンによる、やりたい放題のスプラッター・ホラー・ミュージカル

画像1 (C) 2007 Warner Bros. Entertainment Inc.
and DreamWorks LLC. All Rights Reserved.

ジョニー・デップはやはり大した俳優だ。ソンドハイムの難しい曲を歌いこなしているだけではなく、復讐に凝り固まったスウィーニー・トッドの暗い情念が、歌となって噴出しているのだ。他の出演者もそうだが、彼らは決して歌手のようにきれいに歌っていない。歌声を響かせることより、キャラクターの感情表現を優先させている。このミュージカルではそれが正解。なにしろ、「この死体をどう始末する?」「私に任せて、パイにしてしまうわ」とか、「復讐する日まで、せいぜい(喉を切り裂く)訓練をしよう」なんて物騒な歌なんだから、朗々と歌い上げられても困ってしまう。

それにしてもよくもこれだけダークな映画にしたものだ。色彩を抜き取ったようなモノトーンの画面に死体を焼く真っ黒な煙がたちこめ、愚かなまでに陰気なスウィーニーが客の喉を切り裂き続ける。そのダークな画面に飛び散るのはもちろん真っ赤な血。喉を切ることで抑圧された彼の感情が爆発し、おびただしい量の血が降り注ぐのだ。ティム・バートンはこの感情の爆発=血しぶきをやりたかったんだろうね。R指定の心配もハリウッドの常識も吹っ飛ばして、やりたい放題スプラッター・ホラー・ミュージカルに徹している。その思いっきりの良さが、むしろ痛快だ。

(森山京子)

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