劇場公開日 2008年4月12日

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「ジョージ・クルーニーの濃さとストーリーのあっさり感で"フィクサー"(もみ消し)」フィクサー(2007) ジョルジュ・トーニオさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ジョージ・クルーニーの濃さとストーリーのあっさり感で"フィクサー"(もみ消し)

<ストーリー>
マイケル・クレイトンは、"フィクサー"と呼ばれるトラブル専門の「もみ消し屋」。法律事務所の顧客のためなら、様々な人脈を使って、法の網を潜ることも厭わない。

巨大製薬会社の薬害訴訟を扱っていたこの事務所の弁護士アーサーが、被害者の代表の前で見せた奇行と、同情の念を危惧した上司は、マイケルにこの件をうまく「収める」ように依頼する。

<個人的戯言>
もっと主人公自身が、思いっきりダークな仕事を引き受けるのかと思いきや、実際やっているのは・・・の方という話だったんですね・・・私生活でも問題を抱えた主人公が、ドライに自らの「仕事」をこなす辺りから、やがて巻き込まれていく間の、苦悩や焦燥感がもう少しあってもよかったかな?ジョージ・クルーニー、顔に似合わず演技はあっさり系?

主人公が今までやってきたであろう、「もみ消し屋」の仕事の、えげつなく「顧客」を大事にしているエピソードとかが、もろもろあるもんだと思いました。その辺りが少しあった方が、後半次第に大きな渦に巻き込まれた時の、彼の戸惑いや、自身が抱える問題による焦燥感が出た気がします。

またいよいよ選択を迫られる時、何だかあっさりとしていて、ちょっと拍子抜け。主人公の心理状態はもう少し時間をかけてもよかったかな?また特に期待はしていませんでしたが、あれでアカデミー最優秀助演女優賞なんですかね?その焦燥感は何だか普通で、ここまでのし上がってきた人とは思えないのですが。

ストーリーもごくごく平々凡々。最後まで大きな展開を期待していましたが、とっても薄味でした。まあジョージ・クルーニーの濃さと割るということで。

ジョルジュ・トーニオ