「【珍しく、デヴィッド・クローネンバーグ監督が真面に(内容は真面ではないが・・。)、制作したサスペンス映画。若きヴィゴ・モーテンセン魅力全開作である。】」イースタン・プロミス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【珍しく、デヴィッド・クローネンバーグ監督が真面に(内容は真面ではないが・・。)、制作したサスペンス映画。若きヴィゴ・モーテンセン魅力全開作である。】
■ロンドンの病院に身元不明のロシア人少女タチアナが運び込まれた。
身ごもっていた少女は出産後に息を引き取り、助産師のアンナ(ナオミ・ワッツ)は少女の日記を頼りに彼女の身元を調べ始める。
手掛かりをたどるうちに、アンナはロシアン・マフィアの一員の運転手であるニコライ(ヴィゴ・モーテンセン)と出会う。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・作品自体は恐ろしく、哀しいが、とにかく、ヴィゴ・モーテンセンが格好良い作品である。
ー 私事で恐縮であるが、私がヴィゴ・モーテンセンを初めて劇場で観たのは「はじまりの旅」である。
とても面白かった作品で、”誰、この人?”状態のまま、傑作「グリーン・ブック」を鑑賞に至った訳である。
私の事を、お爺さんだと思っている方が若干いらっしゃるようであるが、そうではない。という事で、今作も初鑑賞である。-
・ヴィゴ・モーテンセン演じるニコラスが、とても格好良い。
”秩序ある道徳”なる組織のドンの一見良きお爺さんである極悪のパパ、ヤミョンのゲイであるダメダメ息子キリル(ヴァンサン・カッセル)の運転手を勤めつつ、実は組織全体を監視しているFSB(ロシア連邦保安庁)の捜査官である事が分かる後半の展開はやや予想通りである。
ー どう見ても、ニコラスは星印の刺青を入れた時点で、FSB(ロシア連邦保安庁)を離脱し”秩序ある道徳”のドンになる事を決意した事が、見え見えである。-
<デヴィッド・クローネンバーグ監督は今作で大いなる評価を受けたようだが、個人的には「ヴィデオ・ドローム」や「クラッシュ」の様な変態性溢れる作品にも惹かれつつ、”ヤッパリキチンとした(してない!)映画を作っても、ハイレベルの作品を創作出来る監督ではないか!と思った作品である。>