「back numberを再発行」ONCE ダブリンの街角で uzさんの映画レビュー(感想・評価)
back numberを再発行
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評判の良さは小耳にはさんでおり、「日本最終上映」とあって鑑賞。
ミュージカルではないけど、ミュージカル並に歌ってる。
“挿入歌”というより、曲の合間にストーリーが挿し込まれているようなバランスだった。
必然的に台詞も少なく説明も無い。
また、画質はホームビデオのようで、カメラも手ブレやズームの揺れが激しい。
しかしこれらが実在感に繫がっており、ドキュメンタリー以上に“記録映像”の趣があった。
だから“男”の母が亡くなってることや“女”の隣人がテレビを見にくることにも“設定”感がない。
くっつきそうでくっつかない展開がもどかしく、しかし雰囲気は抜群にいい。
どう展開するのかと思えば、結局“男”は元カノと夢を、“女”は夫と現実を取るというオチ。
正直、映画として見ると盛り上がりには欠ける。
だが先述の“記録映像”的な作風から、ふたつの“人生”を見た印象で感触は悪くない。
“男”の「夫を愛してるか」という問いに“女”が返した「Miluju tebe」の意味を知るとより感慨深い。
(チェコ語で「私が好きなのはあなたよ」らしい)
レコーディングまでの日数は不明だが、バンドアレンジに練習まで考えると無茶だとは思う。
しかもパート録りでなく一発録りという。笑
まぁそんなことは些事に感じるし、演者の表情やカットの繋ぎで見せる構成も見事だった。
楽器店の店主やレコーディングエンジニアの表情が変わるところや、銀行融資係が歌い出すとこが好き。
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