「二人のセッションが素敵な大人のラブストーリー」ONCE ダブリンの街角で mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
二人のセッションが素敵な大人のラブストーリー
ストリートミュージシャンと花売りの女性が出会って交流を深めていく話で、ストーリーは地味な方です。
燃えるような恋ではないし、ラブというよりも音楽を愛する同志が惹かれ合っていく
「たった一度の出逢い」を感じさせる映画でした。
路上での、弾き語りライブから始まるのですが、主人公はギターも歌も上手い。
主人公はアイルランドのロックバンドのフロントマンらしく、どうりで上手いはずだ・・・と思いました。
人目をはばからず、掃除機を引きずりながら街を歩く女性。
男の過去について、根掘り葉掘り突っつくので、他人と自分の壁がないような、ヘンな女だなと思ったのですが、そのうち、二人のギター&ピアノのセッションが始まり、男はギターを弾きながら、自分の想いを語ったりで、ナチュラルな感じで進んで行きます。彼が彼女の家に行った時に、隣人3人がテレビを観に来るところも、ヘンな彼女だからこそ、そんなことができるのかなと思ったりして、彼女のキャラも好きになりました。
ギターの弾き語りで台詞(気持ち)を語るところは、ちょっと、東京03の角ちゃんみたいだった。笑
互いの気を引くために、二人は「無理」なんてしないし、一線を超えることもないけど、バンド結成ために二人は一生懸命。もちろん、最後にゴールインすることもないけれど、その大人の距離感がよかったです。男が贈った「ピアノ」を弾きながら、彼女はこれから先も山あり谷ありの人生を送っていくんだろうなあと思いました。
エンドロールで気が付いたのですが、二人に名前はなく、guyとgirlとありました。
映画を見終わってから、AmazonMusicUnlimitedでサントラを何度も聴いてしまいました。
彼女が歌っていた“The Hill”、調べが少し悲しいですが、一番、心に残りました。
“If You Want Me”もよかったです。