「音楽は街角で育つ。」ONCE ダブリンの街角で ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽は街角で育つ。
名画座にて。
2007年アカデミー歌曲賞を受賞した本作。
劇中で何度も歌われた"Falling Slowly"の旋律は、
確かに素晴らしく、胸に染みいるラブソング…でした。
舞台はアイルランドのダブリン。
ストリートミュージシャンの男と、チェコ移民の女。
私はラブストーリーというより、あるミュージシャンが
デビューを飾るまでの軌跡。みたいな感覚で観てました。
彼が彼女と出逢い、得たものは確かに大きかったでしょう。
元彼女?(ラストもよく分からん)への想いが断ち切れず、
失恋ソングのようなバラード曲が多い彼に、自身も夫と
上手くいかない女が惹かれ、歌詞とピアノ伴奏をつける。
そして生まれるハーモニーが独特の余韻を生みだして。。
いや~とにかくもう、歌がいいんですよね。
物語がどうのこうのとか、演技がどうのというよりも、
(俳優さんじゃないしねぇ^^;)歌を観なさい!みたいな。
ダブリンの街角で掃除機を引き摺って(爆)歩いてみたり、
休憩時間に楽器屋でピアノを演奏しているというような
素朴なリアル感が味わえて、気持ちがほのぼのとします。
ただなんというか、彼らの演技同様に話もボチボチで^^;
どうなるんだろうな~感が延々と続く上に、
ラストに至っては、アラっ!?という感じですので。。
あまり「ラブ」には期待しない方がいーかも。^^;
才能あるミュージシャンが世に出て売れるのは喜ばしい☆
でもそこまでにどんな苦労があったのか、どんな協力者が
いたのかなど、その軌跡を見られるのもまた良いものです。
アイルランドのバンド、ザ・フレイムスのフロントマン、
G・ハンサードが主人公の男を、同バンドの元ベーシスト、
J・カーニーが監督。というアットホームなつくりも納得。
中年なのに^^;少年少女みたいに初々しい二人のやりとりに
ちょっと懐かしい気恥かしさを覚えるような作品でした。。
(お父ちゃんも良かったなぁ。ああいう親でありたいと思う^^;)