「絆は続くよ、どこまでも。」この道は母へとつづく ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
絆は続くよ、どこまでも。
我が日本にも名子役と呼ばれている俳優がいますけれど、
いやはや~今作に出てくる主人公の男の子・ワーニャの
名演技には、一人として叶わないんじゃないかしら…^^;
ビックリしました。ものすごく自然体だし。
今作も、観たいな~と思いつつ、名画座待ちだった一本。
顔も知らない母親を探し求めて、
孤児院を脱走した少年の実話を映画化したという本作。
ベルリン映画祭で「少年映画部門グランプリ」を受賞した
ということですが、それは~そうでしょうと納得できます。
これ、どう見たって人身売買だよな~と思うほかない
ロシアの養子縁組斡旋組織。それと深く繋がっている孤児院。
貰われず成長した子供達は盗みと売春に明け暮れ、
年下からはチップの小銭をふんだくってプールしている。
共産主義から市場経済に移行して以来、ロシアは経済格差が
広がる一方、その結果がこういう社会問題を生んだようです。
運よく理想的なイタリア人夫婦に貰われると決まったワーニャ
でしたが、その直後、貰われた友人の実母が孤児院を訪れて、
泣きながらワーニャに想いを語ったのち、自殺してしまいます。
「もし僕のお母さんも、こんな風に訪ねてきたら…」
そんな想いから養子縁組を蹴り(すごい決断!)まだ見ぬ母を
探す旅に出るワーニャなのですが、まぁ~とにかくこの子が
とっても賢くて大人も顔負けするくらい行動力があるのです。
話そのものはまるで「母をたずねて三千里」なのですが^^;
字は独学で学ぶわ、孤児院の金庫から母の居所を見つけるわ、
あっという間に年長者の女の子がパトロンにつき(爆)
まんまと脱出に成功。途中で独りにされ街を彷徨いながらも
出逢う大人達からの親切により、なんとか辿り着いてしまう。
彼は果たして実の母親に逢えるのでしょうか。。。
追手のマダムや用心棒とのバトルなどサスペンス要素もあり、
ただのお涙頂戴映画では終わっていないところも面白いです。
(この子、日本だったら日テレかTBSで活躍したかもな~^^;)