「アリナシの前に見せ方がイマイチ」ブレイブ ワン 77さんの映画レビュー(感想・評価)
アリナシの前に見せ方がイマイチ
あけましておめでとうございます。
やっと観られた今年一本目ですが残念ながら幸先のいいスタートとはいきませんでしたw
これはうーん…どうなんでしょ。
テーマや各々の選択についてはあれこれ言えないし、というより「もし自分だったら」とその是非について誰もが考えさせられるのでいい切り口だとすら思うのですが、えらく陳腐な見せ方にしちゃったなあって。
構成ミスが一番の原因でしょうか。
まず、【婚約者を殺された女性が自ら正義の裁きを下す】みたいな謳い文句なので過程に大方の予想がつくのはしょうがないんだけど、観る側が普通に思い浮かぶ通りのことに1時間以上もかけちゃダメでしょう。
“作品紹介”にあたる部分は30分くらいでサクサクっと進めてほしいです。それかそこまでネタバレしなければいいのかもしれないけど、この宣伝だからこそ興味を持つっていうのもあるのでやっぱり構成ミスな気がします。
とはいうものの演技力にも助けられて「どうなるの?」っていうハラハラ感もありました。エリカの「ダメなわけないじゃない!」という悲痛な叫びまでは良かったです。
が…
おーいマーサー刑事〜!w あなた超かっこいいこと言ってたじゃない。
彼の葛藤や最終判断もわかりますが、映画としてあの結末を選ぶのならもっとその部分に焦点を当てないとどうも唐突で安っぽい感じが否めない。
別に監督も「アリだよね」ってことを伝えたいんじゃないとは思うけど、まとめ方がなんか腑に落ちないんですよね。
というかアリナシに関わらずあのラストを“衝撃の結末”という売りにするのは違うような。。こんなテーマだから予想がつかないわけじゃないし、これをどんでん返しとして扱った途端に薄く感じてしまいました。
前作『フライトプラン』といい、ジョディ・フォスターは作品に恵まれないというかメッセージ性の強いものを選んでるだけに、しかも演技力(今回も一人の女性の心情や変化はさすが)もあるので余計空回りを感じました。
あ、ショートカットの彼女はすっごく素敵でした。
今更マイブームの『LOST』のサイード役のナヴィーン・アンドリュースが出演してたのが一番テンション上がりましたw