「茶番劇に翻弄される部下」3時10分、決断のとき 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
茶番劇に翻弄される部下
まるで日本の少年マンガに登場するようなダークヒーローを演じるラッセル・クロウがお世辞にも男前に見えないながらの男前で渋い役柄を演じる反面、クリスチャン・ベイルが完全なる男前なのは一目瞭然で情けなく見えないけれどそこにコンプレックスを抱き、父親の威厳を保とうとする役柄を渋さ全開で演じている。
徹底して悪にはなりきれない正義一直線でステレオタイプなキャラクターでもあるウェイド、ダンに同情し手助けする側になる終盤が滑稽に思われ、あれだけ慕っていたチャーリーがウェイドの茶番に付き合った挙句のオチが惨めで可哀想になる。
原作が『ジャッキー・ブラウン』のエルモア・レナードでありながら男の美学を都合よく単純明快に描いているようにも、オリジナルの『決断の3時10分』との違いが気になりながら全体的に飽きずに楽しめる。
関係があるようで全くないけれどマイケル・マンの『パブリック・エネミーズ』がイマイチだっただけにラッセル・クロウが演じたウェイド役はジョニー・デップで、単にラッセル・クロウが個人的に嫌なだけではあるが、今回で三度目の鑑賞ながらピーター・フォンダに気付かないままで観てしまった!?
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