僕のピアノコンチェルトのレビュー・感想・評価
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天才少年の冒険に乾杯!!!
人は誰でも必ず何かしら、他者とは違う才能・タレント性を持ち合わせてこの世に誕生しているとは言うけれど・・・
この物語は、皮肉にも、天才少年として生れ落ちたが故の、苦悩と葛藤を描いた作品だった。
人とは違った特別な才能に恵まれていない私自身には、全くもって羨ましい!!!と言う以外に言葉がみつからないような人生を送る少年の苦悩の日々の物語を観て、やはり、誰の人生でも人知れず当事者のみが抱える悩みはあるものなのか?とバカな話であるが、月並みな感想、結局そう言う事だったの?と少しばかり落胆したのと同時に、ホッとしたりもしている自分がそこにはいた。全くのパラドックスだ。
補聴器を初めとする様々な製品の発明開発に取り組む父親を持つ、天才少年ヴィトス。
赤ん坊の時から、その優れたピアノ演奏の才能が見出された事と、同時にIQが非常に高く同年代の子供とは全く比較にならない程に勉学優秀であるために、学校でも友達と話が出来ず、自宅近隣でも友達の一人も出来ないという孤高の天才少年の孤独と、親の期待を一身に背負う事のプレッシャーと共に成長を余議なくさせられる大人人間坊やヴィトス。
その彼の緊張の日々を唯一回避出来る瞬間、それは祖父の家で過ごすほんの僅かな時間のみというわけだが、この祖父との心の触れ合いを中心軸に描かれていくヴィトスの家族の物語を観ているのは、とても愉快で、しかもいくら天才でも子供は子供で、悪戯好きの、冒険野郎だと言う事実に思わずニッコリとさせられる。でもこの家族はどうやらヴィトスだけが冒険野郎では決してなさそうで、人間やっぱり血は争えないと言うか、どこか家族とは、親兄弟は似た者同志でいる事に改めて気付いてクスっと笑いが出てしまう。
これという特別な才能に恵まれている訳では無い凡人の私にもやはり親子は、いずこも同じと笑えるシーンにも溢れているのである
そこに何か、人が生きる救いのようなものを感じるのだ。
自己の人生に何が起きようとも、決して怒らずに、そして腐らずに、辛抱強くなることが人生の極意である事をブルーノ・ガンツ演じるこのヴィトスのお爺ちゃんが教えてくれる。
(ちなみにブルーノ・ガンツは「愛を読むひと」や「コッポラの故蝶の夢」など秀作に出演しているので、観ていない人には、これらの作品もお薦めです)
また、迷い悩む時は、その大切なものを一旦手放してみる事も必要な時が有ると言うアドバイスが深いです。私の人生でも役立つ教訓です。
しかし才能を伸ばせる環境を持つ事も才能の一つなのだろうか・・・と思う反面、幾らどんなに人から羨まれる才能でも何の苦労も無いままにその才能を開花させられる事は無いのだという事もしみじみと心に響く。この映画のラストでヴィトス少年が自力で、自分の夢と希望と才能を開花させ、家族の期待にも見事に応える事が出来た神童ヴィトスにならって、私も今日出来る事を明日の希望へと繋げていきたいものだ!夢を決して諦めずに!
神童も子供のうち。
名画座にて。
よく天才○○ニストなんていう子供が出てくると、
この子は神童だ!と言われますけどホントにいるんですね。
だって~この主人公ヴィトスを演じた天才ピアニスト、
テオ・ゲオルギュー君の演奏シーンはまさに神業でした!
僕の~という題名からして、その神童ぶりを描くだけの
作品かと思いきや(まぁそれもあるんだけど)、
もっとこの子の毎日の生活や趣味・思考など、
子供(一応は^^;)時代の成長に沿った、物語でした。
こんな天才児を持った両親は、さぞかし大変だろうな~
とは思いましたけど、やっぱり大変でした…。
小さい頃はただもて囃されるくらいで、親も鼻高々、でも
天才児もどんどん成長していくわけで…心と身体の成長と
頭脳の発達とが、すんなり一致しないところが難しい。。
大学に飛び級はいいけれど、なんてクソ生意気な!?と
言われてしまうのもムリはないですよねぇ…^^;
そんなヴィトスをささやかに勇気づけてくれていたのが、
おじいちゃん!!ブルーノ・ガンツが見事に好演しています。
いつも同じメニュー(爆)と思われるスパゲティーを食べ、
彼のところでピアノを弾いたり、チェスに興じる主人公。。
自分を特別扱いせず、ありのままの姿で受け止めてくれる。
本当なら、そういう存在が両親であるべきなんですが、、^^;
なにせ神童。親が期待をしてしまう気持ちも少しは分かる。
ベビーシッターの女の子に恋をしても、当然上手くいかない。
もし自分がごく普通の子供だったなら…と悩みを打ち明ける
ヴィトスに、「いちばん大切なものを手放してみるんだ。」
とアドバイスをするおじいちゃん…。
それからヴィトスは、とある事故に遭ってしまうのですが。。
彼のそれからの行動に、ある種の疑問があるにはあれど^^;
自分に正直に生きた結果がそうであるなら、褒めてやりたい。
べつに誰かを悲しませたかったわけではないし、一度くらい
自分らしく生きたいと願うのは、当然のことでしょう。
あの機械(爆)を買うくらいなら、屋根を直せば良かったのに!
と私達にそう思わせた、彼のおじいちゃんのようにね…^m^
(ガンツがA・ホプキンスに同化して見えた私。いい祖父味♪)
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