「マリヤンコティアールの演技に引き込まれる」エディット・ピアフ 愛の讃歌 ずっ子さんの映画レビュー(感想・評価)
マリヤンコティアールの演技に引き込まれる
ピアフの人生を時間軸を交錯させながら表現しているので、流れを追いたい人には不向きな作品かもしれません。
ただ運命の歯車というのは、我々人間から見ると前後左右の時間が入り乱れて構成されているようなものかもしれない。
ピアフの華やかな時代の表現は少なく、壮絶な事件により多くの時間が割かれている。
もう少し彼女の功績を見たい気もするが、彼女のその陰惨な生い立ちや、次々と訪れる運命の悪戯により、歌の表現が深まっていったと思う。
個人的には、最愛の恋人マルセルを失った直後に歌い上げた『愛の讃歌』の場面は観たかった。
映画の締めは、『水に流して』を歌う。
この歌は彼女の人生全ての集大成と言えるものだろう。
自らの身体を痛めつける生き方しかできなかった最期であるが、時代や生い立ちの影響で致し方ないものを感じる。
あの世に召されてから、この歌のようにまた新たなスタートを得たのではないだろうか
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