劇場公開日 2024年1月2日

「おバカでお下劣なのにノスタルジーを感じる」スーパーバッド kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0おバカでお下劣なのにノスタルジーを感じる

2024年1月4日
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鑑賞方法:映画館

女の子にモテたいアメリカの高校生(もしくは大学生)が主人公のコメディなんて好物すぎて、何を観たんだか、そして観ていないんだかわからなくなることがある。本作も、DVDスルーならTSUTAYAで借りたことがあるという錯覚に陥ってしまった。結局観ていなかったんだけど。
高校卒業間際の同級生のパーティーに誘われたセスたち。ニセのIDで酒を買ってくることがとても重宝がられるところがアメリカっぽい。そしてとにかくセスとエヴァンとフォーゲルの考えていること、行動のすべてがバカっぽい。男の子の行動原理ってこんなもんだよな。もちろんこの手の映画にありがちなお下劣さも全開だ。でも、なんか楽しくて笑ってしまう。個人的には警官2人とフォーゲルが絡んだドタバタが好きだ。
あれだけ下品な笑いが散りばめられていても、微妙にノスタルジーな気分になって彼らのことが愛おしくなるのが不思議なところ。少年時代には男友達だけでつるんでいたのが、歳を重ねるにつれ彼女のような女性と過ごす時間が増えていく。それが大人になるってことなのかもしれない。でもとっくの昔にそんな少年時代を終えている身としては、その切り替わりの瞬間に一抹の寂しさを感じてしまう。そんなことを思ってしまう、秀逸なラストシーンだった。
これ、当時DVDスルーになったのがもったいないくらいにいい映画だった。いや、こんな感想になるのは少数派なのかもしれないけど。

kenshuchu