「スタントウーマンによる壮絶なカーアクションと監督こだわりの素足・美脚映像の数々」デス・プルーフ in グラインドハウス Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
スタントウーマンによる壮絶なカーアクションと監督こだわりの素足・美脚映像の数々
迫力が有るカーアクションであった。特に本物のスタントウーマンであったゾーイ・ベルのフロントガラスへの張り付いての危険なアクションには大いなる敬意を覚えた。
クエンティン・タランティーノ監督・脚本・撮影による2007年公開の米国映画。出演は、カート・ラッセル、ゾーイ・ベル、トレイシー・トムズ、ロザリオ・ドーソン、メアリー・エリザベス・ウインステッド、ヴァネッサ・フェルリト、ジョーダン・ラッド、シドニー・ターミア・ボワチエ、ローズ・マッゴーワン。
カート・ラッセルを狙撃し、彼を車で追い詰めるトレイシー・トムズ(ハワード大卒でジュリアード学院で学位取得の黒人才女)の演技は、スピード狂的な運転ぶり含め印象的。カート・ラッセルへのロザリオ・ドーソンの左ストレートパンチも実に強烈。そして最後のベルによる回し蹴りでとどめでendも、何となくマカロニ・ウエスタン風で味わい深かった
前半は意味や意義が良く分からなかった。結局、後半に爽快感を与えるためのカート・ラッセルの快感得るための暴力性・冷酷性を描写したということなのか。ただ、車による車中の4美女殺しシーンの繰り返しての3映像は、残虐且つ気持ち悪さ満点で実に個性的とは思った。
映画の中で熱く語られていたバニシング・ポイントもダーティ・メリー/クレイジー・ラリーも残念ながら未見で、この映画のオマージュ的要素が、分からなかったのはかなり残念。
あと、素足のアップから始まる映像、短パン姿の女優が階段を駆け上がるとこを下から撮影等女優たちの美脚が強調される数々の映像、車から出された素足とラッセル突撃で削り取られた足の絵柄、ラッセルが素足を舐める等々、タランティーノの嗜好的な映像が満載。自分的には異様で美的感覚が合致しないのだが、監督にとっては、これらの映像美ピンナップと壮絶なカーアクションを見せるための映画とも思えた。