「ボクだって、乗りたくて乗ってる訳じゃないのにィ…」ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
ボクだって、乗りたくて乗ってる訳じゃないのにィ…
新作公開目前のリバイバル上映で3作をイッキ観賞!
テレビシリーズは20年以上前にレンタルビデオ(VHS)で観たきり。本作は公開時に劇場で観ているが、迫力を増した映像クオリティに只々圧倒された記憶しかなかった。
以下、一気に観たので3作がゴッチャになっている可能性あり。
このシリーズは、イジケ少年の成長を青春群像や親子の確執などを織り交ぜながら見せていく…と装って、ノアの方舟的人類粛清か、マッドサイエンティストによる世界破壊か、はたまた進化のための自然淘汰か、という奇っ怪な物語へと発展していく。
その第1章が本作なのだが、基本はテレビシリーズの焼き直し。ほぼ同じレイアウトだが、全部描き直して劇場用の高品質映像に仕上げているところが凄い。
エヴァはロボットではなく人造人間だというのがポイントで、咆哮したり流血したりする。パイロットが乗り込むが、操縦するのではなく神経をシンクロさせて動かすという発明が斬新だった。
庵野秀明が「巨神兵」(風の谷のナウシカ)を発展させたアイディアだと聞くが、鉄人28号以来、子供達が抱き続けた巨大ロボットをレバーやボタンの操作で操縦できるのか、という疑問に対する一つの解答だったのではないか。
敵「使徒」は生命体だという説明があるが、個体によってはハイテク兵器のようだ。こいつらは誰の(何の)意思(本能?)によって活動しているのかが謎で、本当の敵が見えない。
そんな訳の解らない巨大怪獣たちの戦闘が、庵野秀明の軍事マニアらしい味付けで展開されるところが面白く、特に「ヤシマ作戦」の進行部分は緊迫感に満ちていて圧倒される。エヴァが狙いをつけてトリガーを弾かなければならない陽電子砲を使う必要があったのかとは思うが、別の大砲を急造することもできなかっただろう。
さて、本作を改めて観ると『2001年宇宙の旅』の影響もあるように感じた。イジケ少年がパイプベッドで目覚めるシーンは、ボーマン船長の白いベッドのシーンをイメージさせる。
自分だけかもしれないが、説明台詞が聞き取りづらい。特に赤木リツコが解説役になる場面は、トーンを抑えて喋っていて聞き取れない台詞が多い。
シンジがぶつくさ言ってるのは聞き取れなくても問題はないけれど。
なぜエヴァのパイロットは子供なのか(説明あったかも)、15年前のセカンドインパクトのその前のファーストインパクトはいつだったのか(これは説明なかっただろう)、疑問は解消されないまま謎めいた物語は進んでいく。
さぁ〜て、この次もサービス!サービスゥ!
kazzさん、コメントありがとうございます!
明朝は市川崑へのオマージュ・・・知らなかった。
野村芳太郎はどうなるんだろ・・・似たような明朝だし。
新作を観るために再度チェックしなけりゃと思っていたのに、年末の一挙放送を見逃してしまいました!(泣)