「グレーゾーン」サッド ヴァケイション hideaquiさんの映画レビュー(感想・評価)
グレーゾーン
最近、予定外にテレビを買い替えた。
3年前のLGの55型4K対応 OELDから、型落ちパナソニック49型4Kチューナー内蔵液晶へ。
LGの電源が入らなくなったからだ。焼き付きが気になっていたし、少し早い感じはあるが、潮時だった、またはOELDにするのがすこし早かったのだと思う。
55型は我が家のリビングには少し大きかったとはいえ、49型と小さくなったし、しかも液晶だ。画質に好みはあるとはいえ、ダウングレード感はいなめない。
アマゾンプライムで青山真治監督の「サッドヴァケイション」を見た。フィルムで撮影されている。
この作品の「夜」が白っぽく映るのは、フィルムだからなのだろう。あるいはパナソニックの液晶のせいもあるかもしれず、そのどちらもなのかもしれない。
OELDの黒は黒かったなあ、と感じる。デジタルで撮影された映画の黒はOELDでも黒なのだろう。フィルムはしかたないのか。もっとも、視覚なんて思い込みかもしれない。
青山監督の「北九州三部作」の一作目「Helpless」をおさらいしておくべきだった。同一人物が登場してくるので、前作をすっかり忘れていると、作品の理解が深まらず、解像度が上がらない。
どうしようもない流れに流されながら、自由であろうとあがく、諦念への抵抗と、選択と責任の自暴自棄感、緊張感のある作品だった。
「中上健ニ」そのもので、久しぶりに読みたくなった。
白く生きていきたくとも、黒に飲まれていく。
黒に染まろうにも、白が差してくる。
グレーゾーンのない世界なんてないのだ。
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