劇場公開日 2007年9月15日

「故郷の空に爽やかな青春が弾けた!」包帯クラブ ちねちったさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5故郷の空に爽やかな青春が弾けた!

2007年9月18日

泣ける

笑える

楽しい

この映画、数日前にその存在を知ったのだが、なんと、舞台が我が故郷「高崎」! ここでオールロケを行った映画ということが、まず興味を引いた。そのうえ、主役があのカンヌで賞を取った柳楽優弥と、ホリプロ所属のカワイコちゃん、石原さとみ(石原さとみは、なにげに存在感出してて、実は前から少し気になる存在ではあった)。というわけで、僕には珍しく、この手の青春邦画を見に行った。

まず、感想から。この映画はあなどれません! かなりいい出来です! 「セカチュウ」とか比べモノにならないし、昨年ヒットを飛ばした「フラガール」より個人的には好み。雰囲気的にはコメディタッチの青春もので、軽いといえば軽い。でも、「下妻物語」とかそういうラインではなく、「スウィングガール」とかの予定調和的な映画でもない。裏に流れているのは、青春の時期特有の怒り、焦燥、疎外感、笑い、そういうものをひっくるめた混沌とした感情で、それが実にリアルに描かれている。テーマ自体は、割とヨーロッパ映画(フランス/スペインあたりの)に近い気もする。秀作の部類に入ると思う。

役者陣の演技もとてもよかった。まず柳楽優弥。なんなのあの存在感は! ウワサでは聞いていたが、本当にただ者ではない。かなり衝撃的。こういうタイプは本当珍しい。ヒロインの石原さとみも、あそこまで演技できるとは思っていなかった。実は、同世代の長澤まさみより上手いんじゃないんだろうか。なんか青春弾けてていいなーと思いました。映画の中でよく河原が出て来るんだけど、その河原は僕らが青春過ごした場所でもあるんだよねー。いろんな思いが、スクリーンを埋める高崎の夕焼け空を見てたら浮かんできて、ちょっと泣けました。

ビデオでもいいけど、なかなかいい映画です。連休中おひまならぜひ。

ちねちった