「田舎が主人公のゆるゆるのラブストーリー。夏帆さんがよかったです。」天然コケッコー Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
田舎が主人公のゆるゆるのラブストーリー。夏帆さんがよかったです。
前に見ていたのだけれど、最近夏帆さんをよく見かけるので、思い出して見直してみました。
当時は誰だかわからなっかたけど、今見てみると、基本岡田将生さんと夏帆さんのラブ・ストーリーなので、逆に新鮮で面白かった。
夏帆さんが主役で、子役と言ってもいいくらい若いのだけれど、演技がうまくてよかった。
そしてこの映画のもうひとつの主役は、田舎のよさだと思う。
不便とか、悪いところもいろいろあるのだろうけど、この映画はよいところを前面に出していた。
田舎のよさといえば、風景がきれいとか、空気や水がうまいとか、そういうところを思い出すけれど、一番いいのは人が少ないところかな?
人が多いと、みんなそれぞれいろんなことを考えてぶつかり合うし、自然と競争になるから大変。
その点、田舎は人が少ないから、ぶつかり合うことも少ないだろうし、そんなことをしていればやっていけない。
競争も少ないだろうし、自然と地域が家族のようになりそうな気がする。
全校の生徒が七人で、小学校も中学校もしっしょというのは、効率は悪いかもしれないけどある意味ですごくすばらしい。
勉強もゆるゆるだろうし、友達もゆるゆる、だけれども互いの関係性や先生との関係はすごく濃い。
ある意味理想の学校です。
都会の大人数の学校だったら、全部厳しくてきついのだけれども、関係性は薄くなりがちです。
主演の二人にしても、同級生の友達なんだか、つきあっている彼氏・彼女の関係なのかよくわからない。
すごくゆるゆるの関係なのだけれど、互いに世界でたった一人しかいない同級生で、関係性はすごく濃い。
これもある意味理想の関係で、見ていてとてもおもしろかった。
あと田舎のよさといえば方言かな?
島根弁(広島弁?)がおもしろかった。特に女性も自分のことを「ワシ」というのがいい。
いろんな言い方があるのだろうし、今の若い人の言い方なのかもしれないけれど、よく聞くのが「ウチ」。
「ウチ」って何?あの辺の人は「ワシ」って言うよな?といつも思っていたけれど、この映画では「ワシ」とはっきり言ってくれるので、すごく気持ちがよかった。
「バレンタインデイは、わしらには関係ないイベントじゃけえのう・・・」(「仁義なき戦い」みたいだけど、この映画では女子中学生の台詞)には感動した。
個人的にはその辺のところがとてもおもしろくて、出演している子供もかわいいし、メッセージ性があって、映像も綺麗でいい映画だと思うけど、ゆるゆるなので、ぐいぐい前に出てくるような強烈なインパクトがないのが残念。
2007年のキネマ旬報ベストテン2位(1位は「それでもボクはやってない」)で、1位になれなかったのはそのせいかも?