劇場公開日 2007年7月21日

「You are an amazing teacher!!」フリーダム・ライターズ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5You are an amazing teacher!!

2020年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 1992年のロス暴動の映像。そして人種統合プログラムにより学区内でも優秀だったウィルソン高校の生徒が75%いなくなり、校内は荒れ果てる一方。リトル・ギャングスターとでも言うべき人種によるグループが勢力争いをする様子にびっくり。生徒たちは家に帰れば、いつギャングに襲われるかわからない。毎日が生きる闘いをしているという暴力の渦の中に生活していた。

 現在の人種差別地域もそうなんだろうけど、教育現場でその荒廃ぶりを目の当たりにした新米教師エリン・グルーウェル。やる気満々で教壇に立つも、生徒たちの酷さに呆れかえるばかりだった。しかし、現状を把握し、生徒たちに日記を書かせることから始めて、やがては生徒自身が各々ヒーローなんだと自覚させるに至る。

 「ホロコーストを知ってる人は手を挙げて」。一人だけ浮いてる白人の子が手を挙げる。「じゃ、銃撃に遭ったことのある人は手を挙げて」。その白人の子以外全員が手を挙げる・・・強烈すぎる!ここは戦場か!

 まず、教科書がない!教科主任も校長も予算はないと言い、教育委員会に直訴するも学校が権限を持ってるという。そんな中で、自分でバイトまでして生徒たちのテキストを買う姿。その本でギャングの世界の酷さを知ってもらい、次はエリン自らバイトを増やして寛容博物館へと修学旅行に出かける。次は「アンネの日記」だ。生徒たちも興味津々。徐々にユダヤ人迫害について学ぶようになり、アンネ・フランクを匿ったミープ・ヒース本人に手紙を送ろう!遂には彼女に学校に来てもらい講演してもらおう!凄い・・・ここまで生徒たちの関心を引くとは。

 いやはや、ここまで書いても前半部分だけ。内容は熱血先生にとどまらず、夫スコットと心が離れていく部分もひやひや。そして、元公民権運動活動家だった父もエリンを応援してくれるようになる。

 とにかく泣けるシーンがいっぱい。予備知識を入れないで観るほうがいい。入れるとしたらホロコーストとアンネの日記くらいでいいかと思います。

kossy