「かわいいピーターラビット」ミス・ポター rakoponさんの映画レビュー(感想・評価)
かわいいピーターラビット
1年前くらいに、Bunkamuraのピーターラビット展に赴いた。
ピーターラビットはもちろん知っていたし、家に食器もあるのでイラストはよく目にする。
でも作者のビアトリクス・ポターについては、その時その生涯を始めて知った。
その時も映画ミス・ポターを観たいと思ったものの、タイミングがなくて今回、ピーターラビットの実写映画の予告編を見て、そういえば見ていなかったと思い出し、観賞に至った。
1900年代初期のロンドンの上流階級の暮らしやファッションは興味深く、見ていて楽しい。
当時の独身女性は、今よりもっと風当たりが強かっただろう。
自分の個性を見失うことなく、経済的にも自立したポターだったが、出版者の男性と恋に落ちるところは、共感でき微笑ましい。
可愛らしい二人だからこそ、その後に待ち受ける悲劇には、人生の非情を感じ涙するしかない。
その後はイギリスの湖水地方の保護活動にも取り組み、結婚もしたポター。
彼女の精神は女性として、また一人の人間としてただただ尊厳すると共に、(映画として多少の改変はあるにしても)淡々と彼女の半生を描き切った本作を評価したい。
リネー・ゼルヴィガーも、決して華美ではないが、それがまた自然を愛するミス・ポターとマッチしていたように思う。
ところどころ命があるかのように動き出す彼女の「友達たち」も、とっても愛くるしい。
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