アドレナリン : 映画評論・批評
2007年7月10日更新
2007年7月7日よりユナイテッドシネマとしまえん,ユナイテッドシネマ豊洲にてロードショー
アドレナリン出しまくり男に観客もアドレナリン放出!
朝起きたら毒薬<北京カクテル>を注射されていた殺し屋シェブ。1時間で死ぬというメモに激怒しながら解毒剤を探す彼が、アドレナリン分泌で毒の作用を止められると知り、興奮状態を保ちながら、宿敵リッキーを探す!
興奮状態をどうやって作り出すかがこの映画の見どころのひとつ。レッド・ブルを大量に飲み、ケンカを売り、コカインを大量摂取し、除細動器で心臓に電気ショックを与え、チャイナタウンのド真ん中で恋人とセックスし……。アドレナリン分泌のため次々とめまぐるしい努力をしつつ、解毒剤を持っているはずの宿敵を探すシェブの暴れっぷりが最高! 彼の命懸けの愚行を見ながらアドレナリン放出し、究極のエンディングまでひとっ飛びだ。
本作が監督デビューのマーク・ネベルダイン&ブライアン・テイラーは、アイデアひとつで最後までひっぱる力業で今後への期待を抱かせる。また渋さと笑いがいい按配でミックスされたシェブ役のジェイソン・ステイサムは、元オリンピック選手ならではの抜群の身体能力で離れ業的アクションを披露。30代から寂しかった頭髪とは裏腹にマッチョさ全開の彼には次代のブルース・ウィリスといった風格も漂い始めている。
(山縣みどり)