劇場公開日 2007年7月7日

街のあかりのレビュー・感想・評価

全14件を表示

4.0小さなあかり

2025年6月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

アキの「敗者三部作」の三作目。
恋人も友人もいない孤独な男の物語。
とにかくツイてなくて、トイレの扉で挟まれるのとか見ていて本当辛い…。
何度も何度も騙されて、でも良くわかってないというか、何処か気にしていない感じ。
しかも最後には強盗の罪を被せられ服役に。
間違いなく、三部作の最後に相応しい敗者でした。
でもそこはアキ。
ちゃんと小さな希望のあかりを灯してくれてます。
やっぱり優しくて好きな作品です。

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白波

3.0三部作の中では一番好みではない

2025年5月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

アキ・カウリスマキ監督による敗者三部作の3本目。この作品が一番敗者感がある。しかし本作が一番、居心地の悪さを感じる。
カウリスマキ監督の作風は、良くないことが起こっていてもどこか笑えてしまうユーモアだろう。それが本作ではちょっと笑えないギリギリを越えてしまっている気がした。これは個人差なので何とも言えないが、ラストにフワッと上がる「希望」も薄く感じてしまった。

前作の「過去のない男」が最高だったのでその反動だろうか。カウリスマキに慣れてきたことによる弊害だろうか。何かちょっと求めていたものと違うんだよなと、カウリスマキの雰囲気を真似て別の人が撮ったような印象を受けた。

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つとみ

4.0孤独で世渡り下手な男性のお話。 近づいた女性に何度も騙されるも、信...

2024年5月14日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

孤独で世渡り下手な男性のお話。
近づいた女性に何度も騙されるも、信じて、痛手も罰も受け入れ。

次々に騙され、失い、転落してゆくものの
将来の希望は捨てていないキャラで、悲壮に見えないというか、

画面を傍目から見ている身では、
あーあまた騙されて…と失笑したくなる場面も何度も。

鈍いのか強いのか、どちらも彼のキャラなのでしょうが
なんとも独特な演技でした。

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woodstock

4.0カウリスマキ作品を知る。

2024年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

主人公の状況・感情の流れが自然に、というより場面場面で紙芝居のようにトントン変わり、上がって落ちて落ちていきそして…。
コイスティネンよ、なぜにそんなに音声と文字が浮かびあがる位「のこのこ」と、女性の誘惑という罠に何の疑いもなく素直にかかってるのだ。突っ込み入れざるを得ないキャラだ。騙されて強盗の濡れ衣(あっけなさ過ぎる)着せられようとも、家を壊されようとも職を奪われようともただ、静かにそれらを受け止め、次に向かおうとしてはとことん痛めつけられる。どうしようもない中、ラストに差し伸べられる今まで振り向くことなかった手、これがせめてもの救いであり、希望、になるんだよね?
何とも言えない気持ちになったが、ここまで無駄がなく分かりやすい見せ方撮り方で特徴あると記憶に残りやすいよなぁ。。音楽も興味惹かれるし。

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chargedpillow

4.0最初は、全く救いのない映画かと思った

2024年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これまでみてきたアキ・カウリスマキの映画の中でも、とりわけ救いのない映画のように思われた。

ショッピングセンターの警備員を務めるコイスティネン(ヤンネ・フーティアイネン)。例によって周囲から孤立している。特に趣味もなく、近づいてきた美女ミルヤ(マリヤ・ヤルベンフェルミ)には、ハニートラップで、本人の知らぬ間に宝石店襲撃の幇助者に仕立て上げられ、一人だけ囚われて刑務所で服役。全くやりきれない筋立て。

しかし、途中で変だなと思った。

まず、本人が自分のありえない運命に対し、全くと言って良いほど告発、抵抗しない、基本的に従順。本当に心を寄せてくれる女性アイラ(マリア・ヘイスカネン)はいるけど、付き合いはあくまで淡いまま。

冒頭から、ロシアーソ連の影がある。最初に出てきたエスカレーターは、ショッピングセンターのものだろうけど、モスクワの地下鉄のそれみたい。警備のシステムも厳しくて、ロシアから来たのでは。宝石店の襲撃にしたって、本当の黒幕はロシア人らしく、ギャングたちもお伺いを立てていた。

そうか、コイスティネンの行動は、ロシアと対峙していた頃のフィンランドを象徴しているのではないか。途中で、フィンランドの英雄、シベリウスの指揮者姿の肖像画も出てきた。フィンランドとロシアには長い抗争の歴史があるが、フィンランドは人口550万人程度の小国、とてもロシアのような大国とまともにぶつかっても叶わない。

アキ・カウリスマキは、苦しいことのみ多い貧しき労働者たちに、耐えていれば、いつかはほのかな「あかり」が灯ることを教えているのでは。最後まで観て、いつまでも心に残る映画と知れた。

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詠み人知らず

3.5やり過ぎよ、さすがに。

2023年12月26日
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鑑賞方法:映画館、VOD

一攫千金を狙った男が美人局に唆されて、なんだかんだで逮捕・収監って。そんな悲劇があるかよ⁇正気かよ。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

3.0ケーキの切れない..

2023年11月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

世の中を上手に渡りきれない人っているんだよね。
表情も乏しく、話も下手、頭の回転も鈍い。
...
ケーキの切れない非行少年たち  かな。

主人公がセクシーな頃のミッキー・ロークに良く似てる。

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miharyi

4.0孤独を描いているようで友だちっていいなと思える

2022年11月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

今泉力哉監督のツイートでカウリスマキのような映画のような、とあったので、カウリスマキってどんな映画をつくってる人なんだろうと興味があり、監督作品の中でも、孤独な男が美女に騙されて、とあるプロットが興味をもって、この作品を選んでみてみた。
警備員に勤めて家族との交流もなく、友達も、彼女もない独身男。会話はソーセージなどの簡易食を売る売店の女性だけ。そんな境遇を見透かされて、美女を使った手口にだまされ、刑期を負って最後は失業の境遇に落ちるが、その売店の女性が友だちのように気を遣ってくれて、その手を合わせるところでエンディング。
孤独を描いているようで、友だちっていいなと、なんだかじんわり希望がもてる感覚がした。脚本はとても静かな構成で、BGMもなく、セリフも極力抑えた展開。景色のカットの間があって、写真のカットをつなげてみているような感覚もする。独特の感性をみた思いがした。

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菜野 灯

4.5まだ大丈夫

2022年9月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

同僚に怒る際もスローに全くもって喜怒哀楽を表現しない無感情に思える主人公、でも哀しげな表情はする訳で若い頃のミッキー・ロークに似ている気がする。

今更になってからの憎しみから復讐へ、主人公に共感できる反面でイライラする行動ばかりが彼のキャラもあってか腹も立たず、徹底的に嫌がらせの如くな傍迷惑で悪を成敗出来なかったが傷を負わせただけで良しとしよう、最後の場面を含めて見捨てなかったアキ・カウリスマキ、この映画には希望しかない、人生は捨てたモンじゃないなと教えてくれる。

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万年 東一

3.5【孤独な男の哀しき物語。男は何度も”意図された不幸”に襲われても怒りや絶望を表すことなく、不幸を受け入れる・・。そんな男を、ずっと見ていた女性と手と手を握るラストシーンは、グッとくるのである。】

2022年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

■フィンランドのヘルシンキ。
 警備会社に勤務するコイスティネンは、友人もなく、孤独な毎日を送っていた。
 ある日、見知らぬ美女と出会ったコイスティネンは、たちまち彼女に魅了される。
 ところが彼女はマフィアのボスの愛人で、ボスの仕掛けた罠に嵌り、刑務所に送られる。

◆感想

・普通は、今作のようなストーリーであれば、コイスティネンは”美女”が行った事を見抜いているのであり、何らかの行動を起こすだろう。
 だが、彼は運命に身を任す様に、刑務所に送られる。

・彼が、唯一マフィアのボスを襲うシーン。だが、アッサリと返り討ちに・・。

<そんな、コイスティネンをずっと見守っていた、行きつけのソーセージ屋の娘。そして、町の黒人少年。
 マフィアの部下にヤラレタ、コイスティネンの手を握るソーセージ屋の娘。
 そして、その娘の手を握り返すコイスティネンの手のアップで終わるラストシーンからは、微かな希望が伝わって来る。
 短カットを積み重ねてのストーリー展開は、この時期のアキ・カウリスマキ監督のスタイルだが、テンポがあり、彼特有の独特の世界観を生み出しているのである。>

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NOBU

4.0パン屋を演じた『スキージャンプ・ペア』以来の・・・いや、『過去のない男』以来のアキ・カウリスマキ映画。

2020年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 監督自ら“敗者三部作”と銘打っているこの作品。警備会社で夜警をしている主人公コイスティネンは仕事をそつなくこなすが、同僚からは嫌われ、家族も恋人もいない、孤立した人生を歩んでいるのです。本人は「警備会社勤務のままじゃ終わらない」と、夢は大きく独立心旺盛なのだけど、どうもうまくいかない。警備会社も3年目だというし、職場の人間関係が原因で転職を重ねているのだと想像できる。

 失業だとか転職だとか、人生の落伍者というキーワードは他人事ではないのですが、コイスティネンのように真面目な不器用さを見せつけられると、ついエールを送りたくなってきます。なにしろ、夜明けのカフェで声をかけてくる謎の女ミルヤに誘われるままデートする、なんてシチュエーションはやばいでしょ・・・孤独さゆえに人を見る目がないというか、純粋すぎるというか。それに加えて、ソーセージ屋の女性アイラの気持ちにも気づかないという鈍感さも憎めないところ。

 やがて宝石強盗の幇助罪として実刑を受けることになるのですが、いつの間にかミルヤのことを信じて、警察や裁判所でも彼女の名を出さなかった。そこに男らしさも感じられるものの、彼女に対する執着心もなさそうだったし、罪を全て一人で被ってしまうほどの神のような存在だったのかもしれません。だけど、時折キレてしまい、暴力的な一面を見せるところは人間臭さも感じてしまいました・・・

 一見すると冷たさも感じられる町並み、それに刑務所の壁の映像。カウリスマキの映像にはこの敗者の心情をそのまま建物に投影したかのようなものを感じます。そして、刑務所内で初めて笑顔を見せる主人公や、ほのかな希望を感じさせるラストシーンには全体に比べると際立つほど印象的。それに暴力シーンを直接見せない手法そのものにも作り手の優しさを感じさせる作品でした。

【2007年8月映画館にて】

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kossy

3.5悲しい

2015年4月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

コミュニケーションがうまくとれず、孤独な男が、マフィアに騙され堕ちていく。一切抵抗もせず、黙って現実を受け止める姿勢が悲しい。

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ガク

4.5他人の不幸はミルクティの味(?)

2008年7月3日

泣ける

幸せ

まずは一言、愛すべき映画です。

主人公、どこか人間不信ぶってるが、簡単に人を信じちゃう。前向きな言葉をいつも言ってるが、表情は全然前向きじゃない。おつむがなければ、学もない。そんな彼は、それでも一つ覚えのように前向きな言葉を言い続ける。沈みそうな人生なのに、そんな言葉がライフジャケットになってぷかぷか浮かんでる。

ほんと萌えてきます。
カウリスマキは作品に一切の説明ほどこさず、展開で観客を納得させるタイプの監督。はっきりいって天才です。

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あんゆ~る

4.5決意の映画

2007年8月27日

悲しい

幸せ

この映画が描いているのは「決意」のことだと思う。どんなバカな人間でも、決意することは出来る。どんな不幸な状況であっても、ひとは「大きな会社を設立してやる」と決め、「このひとを愛する」と決め、「復讐する」と決め、「生きる」と決めることが出来る。それは条件なしの、保身なしの、自分の全部を賭ける、潔い決意だ。バカじゃなきゃできない決意だ。すべてのシーンがその決意の力強さと同じ力強さを持っていて、圧倒された。

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アナグマ社