劇場公開日 2007年7月7日

「孤独を描いているようで友だちっていいなと思える」街のあかり 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0孤独を描いているようで友だちっていいなと思える

2022年11月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

今泉力哉監督のツイートでカウリスマキのような映画のような、とあったので、カウリスマキってどんな映画をつくってる人なんだろうと興味があり、監督作品の中でも、孤独な男が美女に騙されて、とあるプロットが興味をもって、この作品を選んでみてみた。
警備員に勤めて家族との交流もなく、友達も、彼女もない独身男。会話はソーセージなどの簡易食を売る売店の女性だけ。そんな境遇を見透かされて、美女を使った手口にだまされ、刑期を負って最後は失業の境遇に落ちるが、その売店の女性が友だちのように気を遣ってくれて、その手を合わせるところでエンディング。
孤独を描いているようで、友だちっていいなと、なんだかじんわり希望がもてる感覚がした。脚本はとても静かな構成で、BGMもなく、セリフも極力抑えた展開。景色のカットの間があって、写真のカットをつなげてみているような感覚もする。独特の感性をみた思いがした。

菜野 灯