「Archer's Redemption」ブラッド・ダイヤモンド Skさんの映画レビュー(感想・評価)
Archer's Redemption
ディカプリオ(アーチャー)が最高にカッコ良く、孤独な傭兵あがりのマイノリティ(アフリカの白人)を演じています。まさになりきっており、現在までの作品でベストです。必見。
9歳で両親を惨殺され、19で傭兵(Executive Outcome社がモデル)になるまでは、国(SA)のために戦った兵士だった?SADF(South African Defense Force)なら青年の採用だろうし、その間がよく分からない、、どうやって生き延びたのか。映画でもそこに触れていたら、なんとしてでも生き抜いてこなければなかった彼の、より深みが出ただろう。アーチャーも少年兵そのものに感じた。生きていくために、傭兵から密輸業者にならざるを得なかった彼の人生を思うと、同情を禁じ得ない。本人も密輸は本当は良くないことであるのは、理性ではわかっている。だからこそ、故郷アフリカへの思いもある一方、大きなダイヤで一攫千金をして、一刻も早く悲惨な人生(密輸)や地獄のアフリカから抜け出したいという彼の心の悲鳴も、ディカプリオが完璧に表現している。3人の交流やベンジャミンの言葉で、本来の彼の人間性=愛が明確になってくるところもすごく良かった。アーチャーには、生きてマディーと現実で結ばれて欲しかったけど、あれしか終わりはなかったんだろう、非常に残念。生きるか死ぬかのTIAの中で、唯一彼が心から信じられる人を見つけられたのが、救いだった。彼のダイヤは、自己犠牲と愛に見いだせたのかと思う。アーチャーのマディーへの最後のセリフ、I'm really happy I met you, you know that?に本当に色々な気持ちが込められていて泣けました。マディーがジャーナリストでダイヤモンドの真実を世間に公表できるありがたさ(自分が生きてきた意味がある)、また、二人の心の交流という愛情があったからこそ、アーチャーのこの最後の選択につながったんだと思います。