「芸達者な3人の演技で説得力抜群。衝撃作。」ブラッド・ダイヤモンド Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
芸達者な3人の演技で説得力抜群。衝撃作。
レオ様に会いたくなり、保存版を久しぶりに観直し。
・・・やっぱりレオ様うまいわ。というか、この3人ほんとにうまい。
ジャイモン・フンスーは私のナンバーワン映画「グラディエーター」の奴隷役で知って注目してたけど、この作品では助演男優賞にノミネート。納得。
そして好きな女優さんの1人であるジェニファー・コネリーも、世界の紛争地で度胸満点に取材する役にピッタリ。強くて、賢くて、優しくて、とても美しくて。
そしてレオ様。アフリカ生まれの白人、傭兵上がりのダイヤモンド買い付け商人。暗い過去を持ちつつ、たくましく生きてきた・・・と言えば聞こえはいいけど。
お金が全て。人を信用せず人を愛することもなく生きてきたドラスティックな男。
劇中でも語られますが、石油、象牙、ダイヤモンド… etc. など、途上国の資源はともすればすぐに先進国に搾取され、最悪なケースとしてその利権のため国の中で紛争を仕掛けられるなどして、同じアフリカ人同士で殺しあうという状況が少なくない。
今回の舞台である西アフリカのシエラレオネという小さな国は、ダイヤモンドが山からたくさん採れるため、まさにそんな状況に。
内紛の混乱の中、家族と生き別れたソロモン(フンスー)が過激派の牢でレオと出会い、採掘場で手に入れたピンク・ビッグ・ダイヤモンドを隠し持つことが明るみに出る。
その巨額のダイヤを巡り、ついには過激派、政府軍を巻きこむ事態に。
この利権構造を暴くべく取材に打ち込むイギリス人ジャーナリスト、コネリーとレオ様がシエラレオネのビーチバーで出逢った時。運命の歯車が勢いを増して…
反発しあいながらも徐々に惹かれ合っていく2人の距離感がたまらない。
ソロモンの息子は過激派に少年兵として囚われ、「息子を見捨てたら俺は生きている意味がない」と迷わず命がけで乗り込むソロモンの父親愛や、救出された少年兵たちを保護して育てている組織のボス、そしていつも真っ直ぐな瞳で思いをぶつけてくるジェニファーの良心、それらがレオを変えていく。
そして衝撃のラスト。
レオの取った選択が、悲しい。悲しすぎる。
でも、きっとこれでレオはようやく心安らかに天国に行けるのだと思う。
瀕死の状態でジェニファーにかけた最後の電話に涙です。
今、素晴らしい景色を見ているよ、君と見たかった…
[また来世で恋をしよう]そう言っているようでした。
キスシーンなんてひとつもないけど、これはある意味立派なラブストーリーの要素もあり。
社会派ドラマでもあり、レオ様のアクションもかっこいいし、アフリカの闇、先進国の罪、まだまだこんなことが世界の隅で行われていたのか…と愕然とする映画。
初めて見た時はガツンと頭を叩かれたような衝撃を覚えました。
でも、いい映画です。おすすめです。