「「君と同じ大学を受けることにしたよ」「やめてよ、競争率が上がっちゃうじゃない」」檸檬のころ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
「君と同じ大学を受けることにしたよ」「やめてよ、競争率が上がっちゃうじゃない」
高校生男女5人の物語なのですが、個人的には谷村美月以外はどうでもよくなってしまうほど。榮倉奈々は野球部のエース(柄本佑)と付き合うことになり、東京の私大に進学する彼女に対して彼が学力差や経済的理由のため恋愛感情にも亀裂が入る。どこの学校にもいそうな、ありふれた関係ですが、そんなときは2人とも浪人して学力差を埋めるべき!などと、冷めた目で見てしまいました。
谷村美月は音楽ライターを目指すロック少女。いつもウォークマン(いつの時代?)で音楽を聴きながら、ノートに気に入った言葉を書き留めている。あるとき、自分と同じように音楽を感じている軽音楽部の辻本に心惹かれてゆき、作詞を頼まれたことから急接近するようになった。高校時代には似たようなことを経験しているだけに、この2人の関係に心つかまれる思い。最近では『ラブソングができるまで』でも似たような関係になってましたが、高校生の2人は純情そのもの。しかも、仲のいい後輩に音楽ライターの夢をくずされるというショッキングな出来事もあり、谷村美月の悲しむ姿がとてもいいのです。そして、クライマックス(?)の学園祭コンサートシーン。歌う林直次郎、走る美月。口ずさんでいた歌詞がそのまま歌われてるよ~~頑張れ美月!
初恋はレモンの味・・・酸っぱさ、ほろ苦さ。映画では甘酸っぱいなんて味は感じられないほど、苦い思い出ばかりを残したかのような主人公たち。苦悩、挫折の経験が彼らを大人にしていくんだな~と、オヤジ的な発想にもなってしまいます。ただ残念なことに、5人の比重がかなりアンバランスでもあり、5人のエピソードなんて要らないんじゃないかと思えるほど。やっぱり美月ちゃんです。鑑賞時には化粧は薄くしたほうが良さそうです。黒い涙が流れ落ちるかもしれませんし・・・
当時、映画館にて