「じんわり」パリ、ジュテーム posaさんの映画レビュー(感想・評価)
じんわり
観終わった後の余韻が、それほど大きくはないんだけど、幾重にもなってずっとずっと続いて、むしろ反響して共鳴してぶわぶわ大きくなっていく。
なんだろう、不思議な鑑賞後感。
2006年公開ってことで、ほぼ10年前に観ている。だからどんな話か覚えてたり、オチを思い出したりしながらだったのだけど楽しめた。
あれから繰り返し観返していたわけではないんだけど、久しぶりに観てやっぱり好きだなぁと思った。
お祭り広場とか、赤いトレンチコートの話とか、ナタリーポートマンとか、もちろん大好きなんだけど、なんだか心に残ってるのはマギーギレンホールのやつ。
ラリって心のどこかで期待して待ってるんだけど、肩すかしにあって小さく絶望する話。
孤独。ばかな女だけど、他人のことのように思えない。なんで??
あとは熟年夫婦の離婚の話。
駆け落ちする?
前したじゃない。
ぞくぞくする大人の会話。
そこに至るまでの2人のもろもろを思うと気が遠くなる。
新しい恋人もお互い好きなんだろうけど、本当は2人で幸せにずっと居たかったんじゃないかな。
あとは14区。そう、ひとり旅をしたいと思うのはこのエピソードを観たことがあるからなのではないだろうか。
嬉しいんだけど、悲しくて、でも大きく悲しくはなくて。
きれいね、ってわかちあえる人を求めている。
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