「袖口の色が変わるほど、泣きじゃくる」夏物語 septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
袖口の色が変わるほど、泣きじゃくる
”イ・ビョンホン祭”で鑑賞してきました。
今作のお目当ては
『わたしは遠いところに』(08)で
ポストカードを見惚れるほどファンになったスエさん目当て❤
絶対に女性だらけだ!と覚悟して行き、
案の定、男性客は私を含めて2人しかいなかったのですが、
韓国映画を好きになって以来、もうすっかりその光景には、
慣れましたので、まるで女性客のように馴染みきって上映開始を待ちました♪
★彡 ★彡
うわぁ・・・・・
ここまで泣いたの、いつ以来だろ.
クライマックスなんて、唇を震わせて泣いて、
エンドロール中も涙が、止まらなくて、客電
点灯してからも、しばらく席を立てなかったよ・・・・・
※心に沁みこんだセリフ
〈 今度会うときは、わたしの手を離さないで 〉
〈 2人の暗号。わたしは元気でやっているよ 〉
「DVDだと、ここまで泣けないけど、
大きなスクリーンだと何回見ても泣いてしまう」
これ私の隣に座っていたおばさまがハンカチで涙を
拭きながら口にされていた言葉。わたし、迂闊にも
ハンカチを持ってくるのを忘れていまして、袖口で
涙を拭いていたのですが、袖口の色が涙で変わってしまうほどでした。
客電が点灯してからも
ヒックヒックしていまして、
なんとか立ち上がりうしろを
振り返ったところ眼を疑う光景が。
なんと、ほとんど誰一人として席を立っていない!
しかも、みなさんハンカチで目元を拭いているか目が真っ赤!!
中には、白いハンカチを広げて顔を覆っている方もいらっしゃいました!!!
劇場を出るとき、あまりにも泣きすぎて、
おもわず階段を、踏み外してしまうところでした。
◇ ◇
1960年代末の韓国を舞台にした作品。
朝鮮半島では北朝鮮との関係。
韓国国内では独裁政権打破で、内患外憂。
大学での学生運動もさかんで、混乱を極めた時代でした。
そんな時代背景の中
してしまった禁断の恋。
悲恋が、今作の中では描かれています。
南北戦争がなければ、
普通に男女として幸せな生活が送れたはず。
しかし、彼女の父親は
アカと、レッテルを貼られ、
村人からも、本音の部分では疎外をされている。
そんな、彼女に
惹かれてしまう、
イ・ビョンホン演ずる男性。
学生時代、
60代の教授時代を
シンクロさせながら
ストーリーは進んでいくのですが、
お互いの息の詰まるような深い恋心に、
相手を愛しぬき想うからこそ選択をした行動に、
当人同士にはなんの責任もなく、時代の被害者の
ようなものだと思ってしまうと、かわいそうで、、
かわいそうで、涙なしには見ることができませんでした。
◇ ◇
スエさん。
イ・ビョンホンさん。
お二人とも押しも受けも演技が抜群。
・林の中
・駅の中
・警察の中
イ・ビョンホンさんの演技を受けての
スエさんが魅せる瞬時の表情の変化は
とても演技には見えませんでした。
涙を見せる表情でも、
涙の中に、悲しさだけでなく、
彼の幸せな姿を想像する明るさを
表現しているシーンもあり涙のバリエーションが豊か。
さすが、韓国で
“涙の女王”と呼ばれているだけのことがあります。
★彡 ★彡
イ・ビョンホンさん、スエさん。
このお二人でなければ成立しない
作品と言っても過言ではないでしょう。
それほどまでに息のあった
悲しすぎるカップルでございました。
時代の波に
翻弄された
あの夏の2人。
ラストで、それでも
2人は幸せだったのだと
救われた気になりました。
あの戦争さえなければ・・・。
思い出し涙を誘う作品、
もちろん5点満点です!!!!!