木更津キャッツアイ ワールドシリーズのレビュー・感想・評価
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ばいばい
物語をきちんと完結させるというのは、ずいぶん骨の折れる仕事だと思う。
オープンエンドで、鑑賞者の想像の余地をたくさん残してもらえる作品を「豊かだな」と感じることもあるのに対して、全部を描き切ることで、鑑賞者が「蛇足だったな」と感じてしまうことも起こりうる。
それを充分踏まえた上で、本作はあえて蛇足のそしりを恐れずに、悪ふざけに振り切って、全てを終わらせたのではないかと、今回久しぶりに鑑賞して思った。
公開当時に映画館に足を運んだ記憶はあるものの、正直言って内容は全く覚えてなかった。
でもそれは、今作の中で、「呼び出しておいて悪いんだけど、ぶっさんそろそろ帰ってくんね?」というセリフに象徴されるように、自分も、はまりこんで観ていたこの木更津キャッツアイのシリーズに対して、ちゃんとバイバイしたということなのかもと思った。
きっと大人の都合が様々に渦巻く中で作られたのだろうと思う中で、そういうセリフをバチっと入れ込んでくるクドカンの凄さを改めて感じた。
2023 見納め
とても長い1回表。しかも野球をやっている
実は、勧められているのに未だTVシリーズを見たことがないので、ロクなことは言えません。前作の劇場版はちょっとついていけなかったのですが、今回はストーリーがしっかりしているような気がしました。「それを作れば彼が来る」という『フィールド・オブ・ドリームス』をオマージュしたような前振りもあり、ぶっさんも死んでしまっている設定によって、残された仲間たちがそれぞれの道を歩み始めるというマトモな展開となっていたのです。笑いの部分は韓国版「キャッツ」のTVドラマと小日向文世がメインとなってしまった感もあり、映画館は若干静かだったような。
バンビとゾンビ。ぶっさんと釜山。ロシアより愛をこめたヘルスとぶっさんは二度死ぬ。微妙なコントラストがドタバタであっても唐突すぎず軽快に展開し、それほどのスペシャルゲストも登場しないコメディだったので落ち着いて楽しめたといったところ。やっぱり「普通」がいいんですよね。TV版を知らないためにオジーってこんなに野球が上手かったんだと驚かされもしました。際立ったゲストといえば栗山千明。自衛隊の鬼教官という役どころでしたが、こういったキャラは彼女にぴったりです。
宮藤官九郎の脚本も落ち着きを見せ、泣かせどころも上手く作ってありました。意外とUSAゾンビに泣かされたり・・・
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