「「社長!黒のスリップ、入荷しました!」「そうか、よくやった!それじゃ商品名はタイム・スリップにしよう」」地下鉄(メトロ)に乗って kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
「社長!黒のスリップ、入荷しました!」「そうか、よくやった!それじゃ商品名はタイム・スリップにしよう」
メトロとはパリの地下鉄のことで、日本では東京地下鉄株式会社の愛称が東京メトロというらしい。決してウルトラセブンと戦ったメトロン星人のことではないのですが、原作者が浅田次郎と聞くと、どうしても団次郎を思い出してしまいます。調べてみると、メトロン星人は煙草の中に人を発狂させる毒を仕組んだらしく、この作品の小物でもあるピースの存在が大きくなってきます。また、堤真一が吸っていたタバコが旧パッケージのマイルドセブンだったので、懐かしく感じるのも束の間、笑わせるシーンとなって楽しませてくれました。
堤真一といえば『ALWAYS 三丁目の夕日』で日本アカデミー賞助演男優賞を取ったことが記憶に新しい。そういえば、この三丁目では古行淳之介・古行和子というネーミングに笑ってしまったのですが、このメトロでは本物の吉行和子が堤真一の母親役として登場します。お母さんも一緒に昭和三十年代のセットに登場していたらパロディ映画になってしまうところでした。また、キーパーソンである常盤貴子の起用は、強く生きる女性という設定はうなずけるのですが、同じ満州がらみで『赤い月』を連想してしまいます。
『ローズ・イン・タイドランド』『オトシモノ』『旅の贈りもの』と鉄道関係の映画鑑賞が続き、『時をかける少女』『もしも昨日が選べたら』『イルマーレ』とタイムスリップものが続きましたが、それよりも最近観た映画が兄弟ものがとても多いことに気づきました。不倫といった男女関係も多かったのですが、それよりも異性の兄妹ものが目立ってしまいます。血が繋がってなくてもお互いに支え合うものだったり、異父兄妹だったり、義姉義弟だったり、この映画のように××××だったり・・・そして「罪と罰」!。×くんを演じた中村晴日くんもこっそり存在感をアピールしていました。
ほとんど感想になってない文章ですが、指輪のエピソードはよかったです。評価はやばいかなぁとも思っていたのですが、これだけで加点。それにしても、『鉄道員(ぽっぽや)』に続いて、一発どんでん返し映画のような印象が残りましたが、浅田次郎氏はまさか和製シャマランとは呼ばれないですよね・・・
【2006年10月映画館にて】