劇場公開日 2006年10月7日

旅の贈りもの☆0:00発のレビュー・感想・評価

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3.0旅=異体験の持つ癒し効果

2024年11月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば> この旅が、皆さまにとって、何か大切なものを見つける旅になりますことを、心よりお祈り申し上げます。 そういえば、インターネットで同志を募り、山奥まで乗り入れたワンボックスなどのクルマの中などで、練炭を焚くなどして、顔を合わせたばかりの若者が集団で自殺を企図するという事件が相次いだのは、いつ頃のことだったでしょうか。 深夜(午前零時)に行く先を明らかにしないままで発車する列車というのは、言ってみれば「行き場がない」ものとして、それぞれが都会の中で抱えている絶望や不安を持ち合わせて乗っているという意味では、上掲のワンボックス・カーのようなものなのかも知れません。 深夜に運行する列車ですから、当たり前といえば当たり前なのかも知れませんけれども。 出発直後の車内が薄暗いのも、そのことの暗示に思えてなりません。 評論子には。 いわゆる「ミステリートレイン」として運行されている本作の列車は、しかし、旅=異体験が持っている癒しの効果を意味していると受け止めました。 評論子は。 実際、行き詰まった現状を、一歩退(ひ)くことで打破できるという意味では、旅=異体験が内包している癒しの効果は、決して小さなものではないとも思います。 映画のジャンルの中でも、いわゆるロードムービーといわれる一連のジャンルの作品が、観る者のの心を、そこはかとなく惹きつけるのも、同じ理由からではないかとも思います。 本作のミステリー・トレインの車掌の車内あいさつとして述べられる上掲の映画のことばは、そのことの謂(い)いであるとすれば、本作の中では、もっとも枢軸となる台詞でしょう。 また、自他ともに認める「筋金入の乗り鉄」でもある評論子としては、本作の癒しのツール(旅)が、鉄路の旅であることも、嬉しく思います。 その両方の意味を込めて、佳作と評しておきたいと思います。 評論子としては。 <映画のことば> 「待ってるで」…か。 ええ言葉やなぁ。 (追記) 本作のミステリー・トレインの終着駅だった「風町駅」は、飯浦駅のことのようです(山陰本線の島根県益田市飯浦町にあるJR西日本の無人駅)。 上記のとおり「筋金入の乗り鉄」としての評論子は、当然、本作の感慨を胸に、いちどは、そのプラットホームに降り立ってみたいと思った駅にもなりました。 また、映画ファンであるとともに、いわば「二足の鞋(わらじ)」を履いて、鉄道ファンでもあって、よかったとも思いました。

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