「前半がくだらない」もしも昨日が選べたら Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
前半がくだらない
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総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:55点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
どんな素晴らしい道具があっても、使う者が器の小さなお馬鹿さんならばたいした効果は引き出せない。そんな素晴らしい道具が登場しても、脚本が緩いと話に締りが無い。せっかく世界を変える力を持ったのに、やっていることはおもちゃを与えられた子供と同じだし、辛い現実からはすぐに逃げ出す。前半は物語も登場人物もくだらなくて苛苛した。
後半からは道具で何ができるのかという話ではなくて、主人公の将来の波乱万丈・栄枯盛衰を早送りで体験して、それで自分の今までの生き方を悟っていくという部分からは面白くなった。実は彼の周りは驚くほどにいい家族だらけというのは構成上のあざとさを感じるが、家族の大切さや幸せについて伝えるということに関しては良かったのではないか。
話としては千数百年前の中国の故事「邯鄲の夢」のハリウッド版の喜劇といったところで、日本人には昔から馴染みのある内容。だが、その故事をアメリカ人の脚本家が知っていてそれを基にして作成したのか、それとも偶然似たのかどうかはわからない。
前半のくだらなさがもっとしっかりとしたものになっていれば全体の質感も高くなったと思うが、嫌なことにいちいちくだらない仕返しをしたり早送りに逃げたりする場面がやたらと多いのは閉口した。
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