「目玉、目玉・・・って西川きよしやがな。怒るデ。」日本以外全部沈没 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
目玉、目玉・・・って西川きよしやがな。怒るデ。
『太陽』が日本公開されて騒がれるよりも、この『日本以外全部沈没』が公開されるほうが危険だ。『日本沈没』が韓国で大人気となった理由のひとつは「日本人が恐怖に震える姿を見ると快感」だということらしい。その全く正反対の今作品を表面だけしか見ないのなら、かなり反発を食らうはず。しかしフタを開けてみると、やっぱりパロディ中心であり、政治や世界情勢の風刺も子供向けだったのが残念。それでも安泉純二郎首相(村野武範)、石山防衛庁長官(藤岡弘、)、それに米・露・中・韓のVIPがオバカな演技をしてくれるので楽しい映画となっていました。
他国の人間と共存するのが苦手である排他的な日本人。難民なんて受け入れたくないのが本音だ。無茶苦茶な法案も通してしまうし、ユダヤ人を虐殺したナチスのような映像もある。そんな醜さを持った日本人に媚びを売る懸命な外国人たち。表だけ見ると、特権階級になった日本人から見た哀れな外国人を楽しむ人もいるのかもしれないけど、珍しくなくなった外国人を奴隷のように扱う傲慢さなどを風刺した裏の姿も読み取らなければならないのです。
堅苦しいことは抜きにして、実は思いっきり笑った映画でもありました。ぷちブルースや目玉目玉のシュワちゃんやオスカー俳優のジェリー・クルージングには大いに笑わせていただきました。デーブ・スペクターの一発オヤジギャグにも笑えるし、北の将軍様にも驚きました。
監修が実相寺昭雄ということもあって、怪獣特撮は最高です(注:オバカ映画として最高)。『電エース』って何じゃ?と思っていたら、変身する電一(南郷勇一)は河崎実監督その人じゃありませんか!全く、つまらない映画ばかり作っていてもしっかりと自虐的に利用できる監督はさすがです。ちなみにこの『電エース』はOVとして発売されてるようです(中川翔子たんも出演してるもよう)。今までこの監督の映画は『いかレスラー』しか観てないと思ってたけど、『実写版まいっちんぐマチコ先生 THE MOVIE Oh! コスプレ大作戦 』もTVで見てました・・・
【2006年10月映画館にて】