劇場公開日 2006年8月26日

「家族愛の物語」Dear Pyongyang ディア・ピョンヤン 松村 訓明(まつむら のりあき)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0家族愛の物語

2023年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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表題から北朝鮮が主題の映画かと思いきや、家族愛が主なテーマでした。ヤン監督の父と母の仲睦まじい様子が良く分かり、ヤン監督と父の会話の掛け合いもとてもユニークで面白いです。娘の結婚相手を心配しているのですが、アメリカ人と日本人は駄目だと言います。父は金日成主席に忠誠を誓っていることを何回も口走ります。息子3人とその子である孫が平壌に居るため、母は早く日本と国交正常化をして、自由に行き来できることを望んでいます。国の制度のあり方も大切ですが、一番大切なのは家族愛だということを教えてくれた素晴らしい映画でした。

この映画は北朝鮮でも撮影しているため、北朝鮮の人々の暮らしぶりや新潟と北朝鮮を結ぶ万景峰号の船内の様子も分かります。残念なのは、この映画が公開されたことでヤン監督が北朝鮮に入国出来なくなっていることです。一刻も早く北朝鮮にも行けるようになることを願っています。また、北朝鮮の方が自由に自分らしく生きていける環境となることを願っています。
なお、アボジ(父)、オモニ(母)という単語は知っておいた方がよいと思います。

この映画を製作したヤンヨンヒ監督と関係者のみなさまに深く感謝いたします。ありがとうございました。

松村 訓明(まつむら のりあき)