「XXXX = Bond, James Bond?」レイヤー・ケーキ talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
XXXX = Bond, James Bond?
まだ筋肉を鍛え上げていないほっそり体型のダニエル・クレイグだが、ベッドやシャワーで見える上半身は十分にかっこよい。Tシャツ姿も、軽くはおるジャケットも、ネクタイ決めた上質のスーツ姿も若々しくありながらスマートで上品。あばら屋、倉庫、事務所のようなしょぼい空間からプールや広々とした食堂や広間や立派な図書室があるような邸宅と、どんな建築の中に居てもダニエルは浮いていないどころかその空間を凌駕してる。常に寡黙で沈着冷静、拳銃は嫌いだが美しいと言い、ガンを構えた姿に見惚れた。走る、拷問受ける、ブルー・アイで女性を見つめる、演技も表情も話し方も大袈裟でなく物静か。そのひんやり感がとても気に入った。
手練れの仲間達からアドバイスをもらう箇所では、「ゴッドファーザー」でソロッツォとの会談の為にレストランへ一人向かうマイケルがクレメンザとソニーから色々教わるシーンを彷彿とさせて笑えた。
饒舌で頼りないダメダメのベン・ウィショー、あばずれでテンパってるサリー・ホーキンス、二人の吹っ切れた演技に嬉しく感動。そして何よりも異なったシーン会話場面切り替え、あ!と観客を驚かせるスピーディで滑らかな鏡像の切り替え、あちこちからのカメラアングル、ロンドンをたっぷり見せる映像、最後に流れる歌(よく知ってるのにタイトルも誰が歌ってるのかも知らない、でも好き!かっこいい。邦画だったら大雨の中、汚い道端で血だらけ泥だらけで死ぬチンピラのバックに流されそうな・・・)。でもXXXXは最後までエレガント。マシュー・ヴォーン監督素晴らしいです。
おまけ
歌はアニマルズ「悲しき願い」 "Don't let me be misunderstood" なんですね。Haihaiさんのレビューでわかりました!
共感&コメントありがとうございます!
『悲しき願い』は、尾藤イサオさんがカバーして日本でもヒットしたらしく。
子供の頃の懐メロ番組で、よく尾藤イサオ本人歌唱を聞いてました笑。