「誰が哀しいんだろう?」デイジー ハチさんの映画レビュー(感想・評価)
誰が哀しいんだろう?
クリックして本文を読む
誰が正しいんだろう?
気づけていたなら?
勇気があれば?
見返りを求めなければ?
愛さなければ?
登場人物全てがやり切れない。
極端ではあるけれど、会話が少ない分、
情景や表情の美しい映画。
タイトル通り、デイジーの花が全編通して、ミュージックに至るまで使われている。一輪であれば、大して目に止まらないけれど、花畑になると素朴でありながら、
凛として息を呑む。
描かれる絵も美しくて、ところどころ好んでかけられるクラッシックが相反する激情を静かに際立たせている。
ヘヨン(チョンジヒョン)の表情、特に瞳が雄弁に気持ちを語っている。
挑発するような顔が特に魅力的。
バンバンと音を立てて、感情を露わにするシーンが特に好き。
ジョンウがヘヨンの家を訪ねた時のヘヨンの第一声が、元気ですか?だったことが何故か胸につまるものがあった。
三角関係と言うよりは、
パクウィの恋物語だ。
一貫して、嫌な立ち回りであるにも関わらず、純粋さと不器用さの現れた、ただ好きでいたい気持ちの裏に見え隠れしてしまう愛されたい欲望。
自分本意でもあるような愛情は深くて異常とも思える。
パクウィの真実を知り銃の前に飛び出したヘヨンの言葉を、余すことなく読み、
愛されないことを知りながら側にいることを望んだパクウィ。
パクウィの世界に鮮やかに色付けたのはヘヨンで、それは狂信的な愛情でもある。
まさに、愛さなければ失わなかったことだろう。
それでも、ラストシーンで見せた、愛情深い微笑みが印象的。
さすが韓流ともいえる過激さではあるが、
目を奪われる映画。
コメントする