「戦争の実像と虚像のはざま」父親たちの星条旗 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争の実像と虚像のはざま
本作は2006年公開だから、硫黄島の戦いから60年以上経過し、この戦いに参加した兵士は当時20歳とするなら80歳を超え始めたということ
彼らが死んでしまえばその戦いの記憶は、写真などしか残らない
つまり虚像だけが残されるのだ
それが何を意味するのかを本作は訴えている
アメリカは第二次世界大戦から、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、イラン戦争、そして現在は対テロ戦争を戦っている
ベトナム戦争はメディアがより戦場に入って実像を伝え、戦後には地獄の黙示録を初め多くの映画がその実像に迫った
では、それ以降の戦争の実像に映画は迫っているのか、実像を伝えているのか?を本作は問うている
現代の戦争は無人機が米国本土の基地にいながらにして衛星通信の遠隔操縦、はてはAIで敵を攻撃している
そこに戦争の実像と虚像のギャップはあるのか?
さらに大きくなっているのではないのだろうか?
このような問題を本作を観た若い者にクリントイーストウッド監督は君達の仕事だと問うているのだ
だからこそ、戦場のシーンは実際と見がまう程の迫真の出来映えだ
砲弾の炸裂音は実戦を経験した兵士は打ち上げ花火にとても似ているとよくいう
それを上手く映画に取り入れて効果を上げている
字幕でニューヨークでの式典のシーンでUnited Nationを国連とでるのはいただけない
これは当然「連合国」の間違い
このような大作の字幕で恥ずかしすぎるミスだ
日本語字幕製作陣は猛省してほしい
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