「タイトルなし(ネタバレ)」メルビンとハワード りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
長らく日本劇場未公開でしたが、先年特集上映で劇場公開されました。
今回が2度目の鑑賞ですが、初回は1981年に輸入盤ビデオ、日本語字幕なしで鑑賞しています。
字幕なし、40年以上前のことなので、途中の展開は忘れていました。
なお、実話に基づく映画です。
まずは、前回、字幕なしでの鑑賞、観てどう思ったのかを鑑賞メモから転載します。
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この作品は日本未公開。直輸入のビデオで鑑賞。なので、セリフはもちろん英語で日本語字幕がなかった。
ちょっと困ったがストーリーはだいたいわかった。
メルビン(ポール・ル・マット)という家庭もちの青年が、道でうす汚い老人を拾って、自動車に乗せてやり、親切にする。
この老人、実はハワード・ヒューズ(ジェイソン・ロバーズ)で、大金持ちの大資産家。
メルビンは、それを嘘だと思って、そんなことを忘れて生活していたところ、ある日、ハワードが死んじゃって、メルビンが跡継ぎになる・・・というようなハナシ。
メルビンと奥さん(メアリー・スティーンバージェン)のやり取りがかなりあり、映画のほとんどを占めているが、これがなかな面白い。
奥さんが急に(理由は判らない。セリフで言っているんだろうけど)家を出てダンサーになったり、妊娠していることが判明してヨリを戻したり、テレビに出演して大金を手に入れたり、ふたたび愛想を尽かしたりするのであるが、奥さんを演じるメアリーが可愛らしくて憎めない。
ふたたび奥さんと別れた後、別の女性と暮らしているときにメルビンはハワードからの遺産である大金を手にすることになる。
最後の最後に、メルビンはふたたび奥さんと出逢うが、生活を共にすることなく心のつながりだけは持とうとする・・・とこんな感じの映画。
台詞の細かいところが判らないけれども結構楽しめました。
こんないい作品を劇場で公開しないかが、不思議である。
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字幕なしで観た高校生にしては、まぁ、理解した部類の感想。
褒めてやるぞ。
字幕付きで再鑑賞してわかったのは、メルビンのダメダメ生活描写が長かった、ということ。
負け犬生活のメルビンくんを、とことんみせる映画だったわけだ。
で、ジョナサン・デミ演出、メルビンのダメダメ生活を結構端折り気味でトットコ進むよう演出している。
これが後のオフビートコメディの原型といってもいいのでしょうね。
あまりにトットコ進むので、字幕があってもわかりづらいところもあるかも・・・
なお、字幕なしの初鑑賞時の感想では、終盤の裁判シーンに言及してないところをみると、どうして裁判になったかは、わからなかったのかもしれない。
ハワード・ヒューズの遺言書が偽物だと思われたのはまだしも、その遺言書をモルモン教団本部にわけもわからず置いてくるあたりは、メルビン自身の混乱がさらりと描かれているので、観ている方としても理由がわからないし。
ことの顛末は最終的に字幕で説明される。
メルビンにとっては、有名な大富豪のヒューズが、自作の歌を聴いて、一緒に歌ってくれただけで、自分史上では最高に幸せだった。
メルビンの犬の生活、といったところ。