教授と美女のレビュー・感想・評価
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ビリー ・ワイルダーって凄いね。
話の筋建てが非常に面白かった。これはもう、一流の作家と言えるでしょう。オリジナル脚本でこんなに面白いって素晴らしい事だと思う。
1941年・・・百科事典を作っている学者たちの集まってるところ・・・なんてのが存在すること自体が興味深かった。そして、そこへ飛び込んでくる若い娘。これだけで面白いものができそうだ。そしてその娘は実はギャングの女で。一晩泊まるところを探していただけなのに上手く教授たちを騙してまんまと居座る。その教授たちのアイドルになっていく姿が、実にラブリーだった。その中の若い世間知らずな教授が彼女のことを好きになる。・・実にべたですな。それから、ギャングが彼女を取り戻そうとしての話がクライマックスと。いい話はベタでもいい話だ。とても面白かった。物語がとてもよく編み込まれていて脚本家としての力量を感じさせた。
ただ、難をいうと、エピソードの一つ一つはそんなに面白くない。途中であくびも出たし。筋立てがいいので、最後までみれば面白いだろうと言う確信がなかったら、途中で見るのをやめていた。 この作品は、十年後に同じビリーワイルダーの手で合計8人もの脚本家によって書き直されたということだ。その書き直したくなる気持ちは、とてもよくわかった。
そっちの作品のタイトルは「ヒットパレード」と言うそうだ。興味はあるが、しかしこれでお腹いっぱいなので、私は見る気がしない。
この作品のもう一つ惜しい部分はゲイリークーパーが役よりも年を取り過ぎている点だね。この役は35歳ぐらいでしょう。なんでゲイリークーパーがやったのか?わけわからん。 ・・と思って調べてみたら、この時ゲイリークーパーは40歳だった。老けとるなぁ。
ビリー・ワイルダー原作脚本でハワードホークス監督で、期待通りにやはり面白い
ハワードホークス監督による1941年製作(111分)のアメリカ映画。原題または英題:Ball of Fire。
彼氏がギャング親分でゲーリークーパーを誘惑するナイトクラブの歌姫役を演じたバーバラ・スタンウィック(1907年生まれ)の魅力が満載。ゲーリー・クーパーが女性に縁遠い教授役で、そんな訳ないはずだが生真面目さのせいか意外に似合ってもいた。
最初、スタンウィックは警察に追われていて隠れ家欲しさにクーパーを誘惑した訳だが、彼の純情さに絆されるれて恋心を抱いていくストーリー展開が、予定調和的ながら、彼女の演技力もあって、実に上手い。さすが、ビリーワイルダー作(原作および脚本)ということか。最後は勿論、ギャング親分はゲーリー・クーパーにまぐれ当たりでぶん殴られてダウン(ギャングに素手で立ち向かう教授像は流石に嘘臭いが)さらに警察に捕まり、2人はめでたくハッピーエンド。
監督ハワード・ホークス、製作サミュエル・R・ゴールドウィン、原作ビリー・ワイルダー 、トーマス・モンロー、脚本チャールズ・ブラケット、ビリー・ワイルダー、撮影グレッグ・トーランド、音楽アルフレッド・ニューマン、美術ペリー・ファーガソン。
出演
バーバラ・スタンウィック、オスカー・ホモルカ、ヘンリー・トラバース、タリー・マーシャル、レオニード・キンスキー、オーブリー・メイザー、ゲイリー・クーパー、ダナ・アンドリュース、ダン・デュリエ、S・Z・サコール、リチャード・ヘイドン。
脚本ビリー・ワイルダーの楽しい会話劇にクーパーとスタインウィックの名コンビ
脚本ビリー・ワイルダーとチャールズ・ブラケット、音楽アルフレッド・ニューマン、撮影グレッグ・トーランド、そして監督がハワード・ホークスで面白くない訳が無い。しかも主演が同年制作のキャプラ監督作「群衆」で息の合った共演を見せたゲイリー・クーパーとバーバラ・スタインウィックとくれば悪かろうはずがない。(白雪姫)を原案とした大人のための喜劇。台詞の言葉遊びが面白く、ワイルダーらしい会話劇のおしゃべりな楽しさがいっぱい。クーパー以外の七人の教授のキャラクターも其々に個性的でいい。
1997年 2月28日
淀川長治ファンには有名なハリウッド撮影所訪問の時のエピソードのひとつに、(映画の友)社長命令でスターのキスマークを強要されて困っていた時、バーバラ・スタインウィックが快く引き受けてくれたとあります。この映画の気立ての良い姉御肌な役柄を上手く演じているスタインウィックを観れば納得のエピソードですね。
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