「ファンには少し悔しい作品」ワン・プラス・ワン 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
ファンには少し悔しい作品
チャーリーワッツ追悼リバイバル作品。
正直ストーンズファンの自分にはあんまりで、でも今観たらまた違う見え方があるのかもと足を運んできました。
やはりスクリーンで観るエネルギーに充ち満ちた彼らを見れるのはそれだけで嬉しい。
とにかく格好良いのです。タバコの置き方、楽器の弾き方、ただ立ち上がるだけでも見惚れてしまいます。
「悪魔を憐れむ歌」が段々と練り上がる工程はとても興味深い。
長回しなのも良くてスタジオに入ってるような高揚感もあります。
末期のブライアンは見ていて辛いものがあったりもしますが、これもバンドの長い歴史を正しく切り取ったものでしょう。
何よりニッキー・ホプキンスが後姿ながら長々と見れるのは貴重でしょう。力の抜けた彼のプレイは本当魅力的。
しかしゴダールなのでただのドキュメンタリーではないんです。
間間に政治的思想が織り込まれるのですが、これがわりに長いんですよ。
当時なりの尖ったつくりなのでしょうが、これが地味に辛い。
そんな辛さを超えて、ようやく完成が見えてくる楽曲。
ただ映されているのはレコーディングの終盤までで、完成形をエンドロールにでもいいから流して欲しかったです。
やはり、ストーンズファンには少し悔しい作品でした。
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