ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明のレビュー・感想・評価
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【”真なるカンフー拳は、銃、剣よりも強し。”清朝末期の中国を舞台に、今でも敬愛される中国の行く末を案じる、黄飛鴻を演じるジェット・リーが繰り出す、カンフー技の切れ・スピードの見応え抜群の作品。】
■19世紀、清朝末期の中国。
民兵を率いて街の治安維持に努める高名な武術家、黄飛鴻(ウォン・フェイホン)(ジェット・リー)は欧米列強国と不平等条約を結んだ中国、清の未来に不安を覚えていた。
そんな中、無法の限りを尽くすヤクザの沙河一味は、黄飛鴻を亡き者にしようと画策する。
ー 清朝末期、清と書かれたパイを前にナイフを持つ列強(含む日本)の戯画を目にした方も、多いであろう。
今作は、そんな中、黄飛鴻が清朝の行く末を案じつつ、列強との関係性や、そんなことをしている場合ではないのに、自分の地位を脅かすイム達の姿を描き出している。-
◆感想
・清朝末期の中国を舞台にしたカンフー映画と言えば、若きジャッキー・チェンの諸作品であろう。世間的には、彼の作品群の方が有名である。だが、ジャッキーチェンの映画では、史実は描かれていない。
・その意味では、列強に侵されつつある、清朝末期の中国の状況を物語に描き込んだ今作の意義は大きいと思う。
<今作の大いなる魅力は、矢張りジェット・リーのカンフー・アクションに尽きるであろう。
ユン・ピョウが脇に回る程の、スピード感溢れるカンフー技には、観惚れる。
彼のカンフー技であれば、銃や剣よりも強いであろうことを納得させる程の凄さである。
彼の親戚の米国帰りのイー・サンイエ(ロザムンド・クワン)の美しさも、この作品に華を添えている事は間違いないと思うのである。>
ジャッキーの偉大さを感じてしまう映画
清朝末期、西洋列強に侵略された中国で、ヤクザや西洋人の横暴に対抗する武道家の活躍を描く物語。
ジェット・リーが、リー・リン・チェン時代に撮ったクンフー映画。ユン・ピョウも出演していてアクションシーンに期待がかかる映画です。
しかし、残念ながらクンフーアクションは少々期待外れ。ワイヤーアクションや小道具を中途半端に取り入れてしまい、それは私の期待にそぐわないものでした。派手にしたかったのでしょうが、武術家としてのジェット・リーの良さを消しているように思えました。
前半はコメディタッチでしたが、その笑いも個人的に好みではありません。ボケ役を担うユン・ピョウなどの言動に対して、苛立ちの方が強く感じてしまい、笑うに笑えないものでした。
ストーリーに観るべきものはなく、当然私的評価も厳しめです。
それにしても、つくづくジャッキー・チェンの偉大さを思い知ります。クンフーに色々な小道具を当て込みながらも、クンフーアクションの凄みを失わない。コメディも嫌味にならず思わず笑顔になるような笑いを散りばめ、それでもアクションの凄みを失わない。
少なくと、映画人としては、ジェット・リーの遠く及ばない俳優だった思います。
ワンチャイシリーズ一作目
涼やかな立ち振る舞いに魅了される
単なる勧善懲悪ではない。
けれども、ラストは勧善懲悪の爽快さも味わえる。
租界ができている頃の清朝末期。
日本の幕末よろしく、西洋文化がすでに入ってきている反面、自国の文化を大切にする風潮もある。
その中で、清朝が善、西洋文化が悪という割り切った構図ではない。
自国のために、地域の生活を守るために動く主人公を長とする民兵たち。
その思いは同じながらも、西洋文化・科学に興味を示す人。
地域の人々を食い物にしようとする輩。
そんなやくざ者に困り、主人公に頼りながらも、自己保身を最優先する人々。
正義や人助けの前に、名をあげることに固執する人。
時の政権の命を受け、外国との関係を重視し、地元の民の言い分をあまり聞かない、中間管理職そのままの政府の役人。
中国系の人々でもこれだけバリエーションがある。
西洋系も、
奴隷貿易よろしく中国人を食い物にするアメリカ人がいるかと思えば、
中国人のために奔走するアメリカ人もいる。
正義を貫いた神父もいる。
それぞれの生き様が、交錯し、事態も一転・二転。うまくいくかと思えば、迷走する。
コメディリリーフを担ったユンピョウ氏演じるフーが一貫性なく動くので、なおさら話がこんがらがる。
それでも、涼やかなジェット・リー氏の佇まいに魅了されて見続けてしまう。
要所要所のエピソードも魅力的。
例えば、採寸場面での影絵はとてもロマンティック。普通なら気が付きそうなのに気が付かない主人公がまたいい。
太っちょが師匠から叱られて許されるまで待つ場面もじわっと来る。
ワイヤーアクションをはじめとするアクションも見ごたえがある。
何より、ジェットリー氏のカンフー。手を広げ、相手を招き入れるようなポーズは、元々のリー氏の型なのだろうか?主人公の名前にちなんだ”鳥”をイメージした型なのだろうか。バレエダンサーの如くにまっすぐに上がる足・開脚。舞を見ているようだ。それでいて力強さもある。力でごり押ししてくるイム師匠にもひかない。
そして、随所に挟まれるコメディタッチ。
話の筋・背景だけを綴れば、シリアスで重い話になってしまうのだが、
太っちょ・沙河の人々って、猪八戒と沙悟浄?では孫悟空と三蔵法師は誰?のような連想もある。
悪者のはずの沙河の人々も、どこか間抜けでドタバタが可笑しい。
清廉潔白な高潔な士として描かれる黄も、弟子たちにスキを見せることもあるし、叔母とのロマンスも思春期男児を見ているようでこそばゆいし、洋服は拒否する癖に、カンカン帽とサングラス・アンブレラは使うんだというところが子どもっぽくて、クスっと笑ってしまう。
と盛りだくさんの物語。
惜しむらくは、
ユンピョウ氏の使い方。
実在の英雄を主人公にして、あまりいじれない、その分コメディリリーフとしてフーを出したのかもしれないが、活かしきれていない。
確かに、追いかけごっこのようなアクションでは、身体能力のすごさを十分発揮しているが、人物像が一貫していないので無駄使い感が半端ない。
また、後半、フーと対決するアメリカ人のファイターも肩透かし。
なので、散漫なイメージも出てきてしまう。惜しい。
前半がなければ、、
古い作風
1994年ですか
ツイハーク×リーリンチェイ(ジェットリー)の人気シリーズ第一弾。
未見だったワンチャイを。
ウォン・フェイフォンという実在の人物を演じ清朝末期という難しい時代をどう描くかと観ていたがそこは香港映画、エンタメに仕上げてました。筋立てはもう少しすっきりした方がよかったのではとは思いましたが。
いわゆるワイヤーアクションとカンフーの組み合わせバランスもよく、竹を使ったシーンなどアイデアも豊富。リーのアクロバティックにも近いしなやかな動きも堪能。ユンピョウも想像してたより出番が多かった。でぶっちょなどキャラ立ちも楽しい。
この後に洗練されていくのか、このまま混沌香港映画テイストでいくのは確認しないとわかりませんが、長いシリーズになるだけの熱量があったと感じた一作です。
僕もカンフーやりたい
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