劇場公開日 1946年10月29日

「『生きる』の前身」わが青春に悔なし えらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『生きる』の前身

2014年8月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

「後悔の無いように生きることこそ生きるということである」というテーマは完全に後の傑作『生きる』に繋がっていくものだと思います。この作品をブラッシュアップしたものが『生きる』であると言っても良いでしょう。

今ヒットしている映画『マレフィセント』の評で「アンジェリーナ・ジョリーは表情だけで2時間見られる」というのを聞いたことが有りますが、日本にもいたんじゃないかそういう人が。とにかく主演の原節子の表情がすごい。喜怒哀楽の演じ分けに鬼気迫るものがあります。眼力がものすごい。強くて美しい女性を体現している。その様は見ていて気持ちが良い。

僕の『續姿三四郎』のレビューで「これからも君を見守り続けていくよ」という監督の声が聞こえたという例えをしましたが、今回の向こうに走って行くトラックの後ろ姿には「もう君は一人でも大丈夫だね」とでもいうようなメッセージを感じました。

えら