ロング・ライダーズのレビュー・感想・評価
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ライクーダーのBGV
名手ロジャー・ディーキンスのwikiに彼の選んだベストテンが載っていて1位にワイルドバンチがあった。かるい衝撃だった。ほかも美徳を感じる骨太な選だった。
わたしはペキンパーがよく解っていなかった。むしろペキンパーの後継者と言われたウォルターヒルに惹かれた。
ヒルはペキンパーより器用でsophisticateされ商業的だった。チャールズブロンソンとジェームズコバーンのHard Timesを愛しているが、邦題がストリートファイターだった。きょうびストリートファイターでググったとして100頁めくっても1975年の映画「ストリートファイター」は出てこない。
この映画はジェシージェイムズのような西部の無法者の話。
強盗をしてギャンブルをして娼婦を抱いて恋愛もあるが鉄火肌の細君も出てくる。また、ほんとの兄弟=キャラダイン兄弟・キーチ兄弟・クエイド兄弟をつかっていた。
ただ、個人的に忘れられない理由はサントラがライクーダーだからである。
冒頭、平原にギターのイントロがかかる。スクリーンの端から騎乗のカウボーイがあらわれる。一人、二人、三人、、、七人。ロング丈のダスターコート。バンジョーが入ってブルーグラス風になる。この導入(だけ)を何度見たか知れない。
馬・群像・ロングコートのシルエット。映画の内容は記憶から出せないが、シルエットとライクーダーのテーマは直ぐにうかんでくる。
バイオレンス描写と言っても、この頃のバイオレンスと今のバイオレンスには温度差がある。ペキンパーやヒルが創ったのは映画的ダイナミズムのあるアクション。むかしは迫力のあるドンパチをバイオレンスと言った。今は、バイオレンスと言ったらもっと直截に、暴力的な人間や行為を指すだろう。
サントラに惹かれることは滅多にないがライクーダーだけは別だった。
キャストの次にクレジットされる特別な存在だった。
パリテキサスであの荒涼がぱっと目に浮かぶようにThe Long Ridersを聴くと平原を駆けるカウボーイがぱっと目に浮かぶのである。
兄弟俳優、総?出演
物語はシンプルに迫力ある銃撃シーンや馬とか人が入り乱れてCGではない映像の迫力。
有名なジェシー・ジェームズを主役に捉えるのではなく主要人物それぞれに注目出来る演出描写と本当の兄弟を役に起用する拘り。
単純に西部劇アクションでW・ヒルとナメていたが娯楽要素も忘れずに伝記的な西部劇映画として良作だ。
B・ピットのは時間が長いし「ヤングガン」とか好きなら面白いと思える筈で。
いいんじゃない
まとめてレビュー3作目。まとめてなので、簡素に簡素にレビューでございます。
やっぱり西部劇、好きですよ、私。そして、その西部劇が好きな気持ちをしっかりと思い起こさせてくれる作品でしたよ。その意味では、タランティーノ監督の『ジャンゴ』、『ヘイトフル・エイト』より上でしたね、私的にはね。
物語の流れの作りがいまひとつ
総合60点 ( ストーリー:55点|キャスト:65点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ジェシー・ジェームズをはじめとする実在した強盗団を描いた、刹那的な雰囲気を持つ西部劇。ブラッド・ピット主演の「ジェシー・ジェームズの暗殺」を観て以来、その名前は覚えていた。
映画のほうは登場人物が多いしそれらが飛び飛びで登場するので、誰が誰だか人間関係がわからなくなる。だから中心となるような人物や魅力的な人物がいない。アメリカでは彼らは有名らしいから、ある程度人物像が視聴者に知られていることが前提になっているのだろうか。それに強盗団のことばかりが描かれていて、彼らの反対勢力のこともただピンカートン探偵社という組織の名前だけが言われてそこの人物はおざなりになりがち。
場面場面にしっかりと時間を使う反面、物語の流れに関してはかなり省略されていて科白の中で説明されるだけだったりするので、全体の流れを把握するのも面倒だし理解も浅くなる。戦いの場面は良いのだけれども、活劇部分に焦点が当たりすぎていて映画としてはまとまりが悪い。銃撃で誰かが死んでも傷ついても、あれは誰だったのだろうと考えなければならないほどだった。
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