「検閲意識で「純愛」になっちゃったかも」ロリータ(1962) jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
検閲意識で「純愛」になっちゃったかも
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今 見ると大したことないのだが 当時(1962年)は
アメリカの検閲が厳しく、イギリスで撮影、ロリータに絡む二人の男も イギリス人俳優を起用している
ジェームス・メイソン、ピーター・セラーズ、シェリー・ウィンタースらの演技を、面白く見た
私は 屈折したインテリを演じさせたら、ピカイチの メイソンが好きである
明暗があり、セクシーだと思う
駄目男を演じても 許してしまう(笑)
セラーズは 後の活躍(博士の異常な愛情 等)の下地が見て取れる 劇作家の喋り方は、ウッディ・アレンにそっくりで、アレンは この天才の演技を 真似したのだろうか?
ウィンタースは 今回は、そのポッチャリが 無神経を連想させるような未亡人を好演している
ロリータやハンバートの嫌悪が わかるウザさである
(なんとなく、幸薄い役柄の多い人だが、やっぱり死んだ… )
ロリータの スー・リオンは ボーイッシュで、魔性は感じない
製作側が かなり神経を使っていたのが、わかる
なのでエロティシズムはない
キューブリックと大人三人の俳優が、ともすれば
ヤバくなりそうな話を、頑張って
やや、コメディタッチで まとめている
最後は ロリータが、孕み オバサン化してしまう
(ハンバート、ショック!)
ハンバートが 怒りで劇作家を殺してしまうのは、
騙されて奪われた恨みと ロリータがオバサン化した怒りだろうか?
少女の輝きも それに眩惑される歳月も、
意外に 儚いものである
わりと 面白かった
原作の持ち味からは、離れてしまったかもしれないが…
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